1月のテーマ:子どもの特性について~子どもがわがままを言う時の対処法~


第1回:子どもがわがままを言うときの対処法

著者:筑波大学 准教授 水野智美先生

132373「あれ買って」「まだ遊びたい」など、子どもが言うことを聞いてくれなくて困る経験をしている方は多いことでしょう。

自分の思い通りにならないために、子どもがかんしゃくをおこしたり、協調性のない行動をしたり、大人の手を焼くような行動をすることは一般的に「わがまま」ととらえられています。

しかし、見方を変えると、このことは子どもが自分の意見を主張できていること、自分の気持ちを正直に表現していることとも言えます。

お母さんたちにとっては扱いづらい行動ですが、子どもが自分の思いをどうコントロールしていけばよいのかを学んでいる過程です。

子どものわがままに親が振り回されるのではなく、少し客観的に見ながら、冷静に対処することが大事です。

では、子どものわがままにどうつき合えばよいのかというと、まずは親子でルールを決めることから始めてください。

ここで大切なのは、大人の都合で「あれもダメ、これもダメ」とするのではなく、子どもの主張もある程度は取り入れることです。

「お菓子を買うのは、週に3回まで」「テレビやDVDを見てよい時間は1日2時間まで」などです。

大切なのは、このルールを徹底し、子どもが我慢できたら誉めることです。

ルールを決めていても、子どもがかんしゃくを起こしたら、「今日だけだよ」と親が折れてしまうと、子どもはかんしゃくを起こせば、自分の思い通りになることを学習してしまいます。

子どもがどんなに泣いても、駄々をこねても、「ダメなものはダメ」を徹底してください。

親にとって周囲の目が気になったり、子どもが泣いている声を聞くのは辛かったりしますが、ここは「子どものため」と思い、素知らぬ顔をしましょう。

しかし、子どものかんしゃくが少しでもおさまってきたら、我慢できたことをたくさんほめ、子どものやりたいことがいつだったらできるのかを伝え、その時まで待つように促します。

自分がやりたいと思うことを楽しみにしながら待つという方法で、我慢する力を伸ばしていくことが、自分の気持ちをコントロールする力をつける有効な方法です

 

筆者紹介                                

水野 智美・・・筑波大学医学医療系 准教授 臨床心理士
ビシュケク1 (25)
専門は命の教育、乳幼児期の臨床保育学、障害理解
近年では幼児に対する命の教育や気になる子どもの対応に精力的に取り組んでいる。

 

 

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