12月のテーマ:感染症について~感染症にかかってしまったら~


第4回:感染症にかかってしまったら

著者:東京未来大学 こども心理学部 講師 西村実穂先生

子どもに感染症と思われる症状がある、家族に感染症にかかった人がいる、通っている保育所や幼稚園、小学校などで感染症が流行しているといった場合には、まず病院に行き、感染症かどうかを確かめなくてはなりません。

142614病院を受診する時には、受付で感染症かもしれないことを伝えてください。

他の患者さんに感染を拡げないように、他の患者さんとは別のルートから診察室に入るようにしている病院が多いです。

また、保育所、幼稚園や地域で感染症が流行していないか情報を収集し、受診時に医師に伝えましょう。

周囲で感染症が流行しているかどうかは診断のための大切な手掛かりとなります。

また、感染症にかかった際には薬が処方されることが多いでしょう。

熱が出たら熱を下げる薬が、咳があれば咳を抑える薬が処方されるというように、感染症そのものを治す薬というよりも症状に合わせた薬が処方されるケースが多いです。

薬を飲めば一時的に症状は治まりますが、回復したとはいえません。

感染症から回復するには、その子自身の感染症に対する抵抗力が必要になります。

抵抗力がしっかりある子どもは、よく睡眠をとって、栄養のあるものを食べ、身体を休めれば早くに感染症を治すことができます。

近年、保育所にお子さんを預ける家庭が増えていますが、保護者が仕事を長く休めないために、解熱剤を服用しながら保育所に登園してくるケースがあります。

やむを得ずお子さんを預ける保護者の方も、子ども自身もつらい状況です。

また、子どもを預かる保育者も、また熱が出たらどうしようと不安に感じながら保育をしなくてはならなくなります。

集団生活の場は、感染症が起こりやすい環境です。

抵抗力が下がった状態で集団生活の場に行くと、治ったと思ったのにまた熱が出るというように、感染症の症状がぶり返してしまうことが多いです。

だらだらと症状が続くのは子どもにとってとてもつらいことです。

さらに、保護者の方はまた仕事を休まなくてはならない、という状況になってしまいます。

しっかり体調が回復してから登園、登校することが回復の近道です。

また、体調を崩しても早めに回復する抵抗力をつけるために日ごろから規則正しい生活を心がけることが大切です。

 

著者紹介

西村実穂
東京未来大学こども心理学部 講師 看護師・保育士
乳児保育の専門家として、近年は院内保育や子どもの食に関する問題、気になる子どもの保育の研究に取り組んでいる。
保育所や幼稚園を巡回し、気になる子どもの関する相談活動を実施している。

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