自閉的傾向のある子どもに見られる特徴
自閉的傾向のある子どもに見られる特徴【感覚】
- 自動車のチャイルドシートなど身体を締め付けられることを嫌がる
- 赤ん坊のころから抱っこされたり抱きしめられることを嫌がる(大人が抱っこしようとすると、
のけぞったり、身をよじったりする) - 手をつなぐのを嫌がる
- 締め付け感のある服を嫌がる
- 洋服のタグが体に触れることを嫌がる
- 帽子のゴムがあごに触れることを嫌がる
- 靴下を履くことを嫌がる
- 足裏にごみや砂等がつくことを極端に嫌がる
- のりなどのベタベタするものが嫌い
- すぐに手を洗いたがる
- 服が少し濡れただけでも着替えをしたがる
- ちょっとした傷を気にしすぎる(虫刺されやかさぶたをとても気にする)
- 大きな物音がしても、聞こえていないように行動している
- 他の人が気づかないような物音に気づく
- けがをしていても痛がる様子がない
- 少しの光でもまぶしがる
- ザワザワしたところに行くと耳をふさぐ(人が多いところに行った時など)
- 特定の音が苦手で嫌がる(ドライヤー、掃除機、トイレのジェットタオル、花火など)
自閉的傾向のある子どもに見られる特徴【言葉】
- ひとり言(テレビCMのフレーズ、アニメ主人公のセリフ、両親の口ぐせなど)が多い
- 「何を食べたいの?」と言えば「何を食べたいの?」と答える
- 子ども自身は言葉を話しているが、話が一方的で会話が成立しない
(相手の話を聞いて話すのではなく、自分が話したいことを話す) - 言葉を文字通りにとらえる(嫌味や比喩、たとえ話が伝わらない)
- 抑揚の無い話し方をする
- 年齢に合わない大人びた言い回しをする(こんな言葉をよく知っているねと感心するような感じ)
- いろいろなことについて、へ理屈を言うことが多い
- 状況に合わない発言をする
- 相手の気持ちを考えない発言をする(「おばちゃん、太ってるね」などと見たままの発言をする)
- 呼びかけても、振り返らない
- 何度も「これでいいの?」と確認をしてくる
- 言葉を話せても、「て・に・を・は」を使っていなかったり、使い方が間違っている
自閉的傾向のある子どもに見られる特徴【生活】
- 偏食が強い(白いご飯しか食べない、初めて見るものは全く食べようとしない、特定のメーカーの食品しか食べない)
- (保育所や幼稚園で)いつも決まったトイレで用をたす
- 3歳を過ぎても、オムツのなかにうんちやおしっこが出ていても気にしない
- 自分のうち以外のトイレに行くことを嫌がる
- おしっこはトイレでできるが、うんちはオムツのなかにしかしない
- 水遊びをやめられない(水道や洗濯機、トイレの水などをずっと眺めていたり触ったりする)
- 昼寝をしない/夜眠らない(乳児期を過ぎても睡眠のリズムが定まらない)
- 寝ついてもちょっとした刺激ですぐに目覚める
- 毎日同じ手順や道順にしないと怒る(同じ道を通って保育所、幼稚園に行く、身支度の順番が決まっている)
- 予定が変わると泣き叫ぶ(いつも見ている番組が放映されなくなった時など)
- 自分で決めた順番通りにすすまないと泣いて怒る
- 自分で決めた置き場所、やり方にこだわり、他の人がそれに従わないと激しく怒る
- 幼稚園や保育所の先生や友だちの顔を覚えられない(例:2年間同じクラスで過ごしている子どもの名前がわからない)
- 1つだけ指示をされれば行動に移せるが、同時に2つ、3つの指示をされると、途中で何をすればよかったのかがわからなくなる
自閉的傾向のある子どもに見られる特徴【運動・動作】
- 小走りをする時に、足のかかとが地面に着かず、つま先立ちになる
- その場でくるくると回る
- 意味もなくぴょんぴょんと飛び跳ねる
- 目を細めてキラキラしたものをみる
- 顔の前で手をひらひらさせる
- 姿勢よく座ることが苦手で机やいすの背もたれにもたれかかる
- 「気をつけ」の姿勢をとらせても、すぐに体がぐにゃぐにゃする
- 走り方がぎこちない(両手を前に突き出して走る、など)
- 縄跳びや跳び箱、マット運動が苦手である
- ごろごろと床に寝転ぶ
- 2つ以上の動作を同時にできない(手と足を同時に動かす、右手と左手で違う動きをする、など)
- エスカレータに乗るのが苦手
- 動いている物をとることが苦手(飛んできたボールをキャッチする、など)
- 踊りの振り付けをまねすることが苦手
- コップを使うときに手をうまく返せず、飲み物がこぼれる
- 棚の上、タンスの上などの高いところに登りたがる
- 穴が空いているところに物をつめたがる(コンセントに定規を入れる、鉛筆削りに指をいれようとする、など)
- ロッカーや机の下など狭いところに入りたがる(入ると落ち着く)
- (幼稚園や保育所で)先生の指示からワンテンポ遅れて行動する
自閉的傾向のある子どもに見られる特徴【コミュニケーション】
- バイバイをするときに、手のひらを自分に向ける
- 他の人の手を取って、自分の欲しいものを取ろうとする(クレーンのように他の人の手を使う)
- ほしい物があっても、指差しをして要求しない
- 興味を持った物を指差しで伝えない(「あれを見て」と大人に指をさして伝えない)
- 表情があまり変わらず、楽しいときでも楽しそうな顔にならない
- 大人が笑いかけても笑顔で返さない
- 相手が嫌がっていても、べったりとくっついて離れない
- 知らない人に無防備に近づいていく
- 状況に応じた声の大きさがわからない(電車のなかなど、小さい声で話さなくてはならないところで大きな声を出す、など)
- 親や先生が怒っているのに、怒っていることが全く伝わらない(表情を察することができない)
自閉的傾向のある子どもに見られる特徴【遊び】
- (3歳を過ぎても)周りの子どもに全く関心がなく、一人遊びばかりしている
- 一人で遊んでいるところに他の人が入ってくることを激しく嫌がる
- 自分の世界に入って遊ぶ(自分の世界のなかで話を作って一人で遊んでいる)
- 関心のあることについては強い興味を示すが、関心のないことは話を聞こうともしない(自分の好きな虫のことについては非常に詳しいが、関心のないお遊戯には見向きもしない)
- 勝ち負けにこだわり、負けると激しく怒る
- ひどく嫌なことがあると自分の頭を壁や床に何度もぶつける
- 激しく泣き叫んでいても、少し経つと(5分~30分)、何事もなかったようにケロッとしている
- おもちゃや物(ブロックやスリッパなど)を並べて遊ぶ(本来のその物の使い方をしていない)
- おもちゃを横から眺めて遊ぶ
- 周りの人に見られると恥ずかしいと思うような行為(性器いじり、自分の唾で遊ぶ、好きな人や物をなめるなど)を、人前で平気でする
- こだわりが強い(いつも同じおもちゃを持っている、いつも同じ洋服を着たがるなど、いつも同じ友だちと遊ぶなど)
- とても嫌な経験をした場所には入ることも近寄ることもできなくなる
- カレンダーをめくることを好む
- 数字やマーク、国旗などに早い時期から興味をもつ
- 決められた物を作ったり、見本があるものを描いたりすることはできても、自由に絵を描いたり、ブロックで組み立てたりすることが苦手である
- 絵本のストーリーに興味を持たない(絵本を見ていても、ストーリーとは関係のない挿絵、仕掛け絵本の仕掛け部分を楽しんでいる、など)
自閉的傾向のある子どもに見られる特徴【受診】
- 泣き叫んでしまい、口を開けたり、喉の奥を見せたりできない
- 耳鼻咽喉科で鼻や耳の吸引の音を怖がる
- 診察で医師や看護師から尋ねられても全く異なる内容を(自分の言いたいこと)をしゃべる
- 眼科や耳鼻咽喉科での診察で使うライトを嫌がる
- 口のなかの診察、特に歯科での診察ができない
- 行ったことがない病院や診療所に行くと、いつもより興奮して落ち着きがなくなる
- 暴れてしまい、点滴をすることができない
- 注射の際に、周囲の大人が耳をふさぎたくなるくらい大声で泣き、激しく暴れる
- 待合室で、長時間待つことができない
- 一度、嫌な体験をすると、診察室に入ることができない。診療所の入り口に近づくこともできない
- 絵本や決まったおもちゃを見つけるとそこから離れることができない
リストの制作:子ども支援研究所
※このリストはあくまでも自閉症やADHDの傾向が強くあるかどうかの目安であり、このリストにあてはまる項目が多いからといって、自閉症やADHDだと断定するものではありません。