「育てにくい子」を持つ保護者の方へ

子ども

お父さん、お母さんが、育てにくい子どもと感じる子どもがいます。

具体的に言うと、

・少しもじっとしていない子ども

・何度言っても言うことを聞かない子ども

・はなから親の言うことを聞いていない子ども

・すぐにカッとなる子ども

・忘れ物の多い子ども

・食べ物の好き嫌いが多い子ども

・相手に対して失礼なことや冷たいことを平気で言う子ども

・夜の寝つきの悪い子ども

・寝起きの悪い子ども

・よくケガをする子ども

・ひとの名前が覚えられない子ども

・いつも決まった玩具でしか遊ばない子ども

・公園などで他の子どもと関わろうとしない子ども

・なかなか言葉が出てこない子ども

などさまざまです。

このような子どもたちに対して「きちんとしなさい!」「話を聞きなさい!」「何度言えばわかるの!」などと、まわりの大人は叱ってしまいます。

叱って改善していく子どももいますが、いくら叱っても改善がみられず、「何度言っても親の言うことを聞かない」と親が悩むことも少なくありません。

これらの子どものなかには、発達障害の傾向のある子どもが含まれています。

発達障害の傾向のある子どもに対して、ただ叱っていてばかりでは、改善するどころか、性格が歪んだり、積極性が育たなかったり、自分を認める気持ち(自己肯定感と言います)が伸びなかったりと、大きな傷(二次障害)を残してしまいます。

発達障害の傾向のある子どもは、小学校1年生の段階で10名に一人の割合でいると言われています。多くの子どもを見てきた私の印象では、親が育てにくいと思っている子どもの二人に一人は確実に発達障害の傾向がある子どもです。

この子どもたちを伸ばすには、子どもに合った育児と保育・教育が必要です。

最近、社会的引きこもりやうつ病のことがよく話題になります。

子どもに合った育児や保育・教育を受けてこなかった発達障害の傾向のある子どもたちは、これらの状態や病気と密接な関係があると言われています。叱られ続けた子どもは自己肯定感が伸びません。自分に自信が持てず、人前に出ることに恐れを感じ、引きこもってしまうことにもなりかねません。

このサイトでは、そのような子どもに、親として、どのように対応すればいいかを具体的に示しています。

私たちは子どもに二次障害を残すようなことを少しでも避けたいと思い、親や保育者、教育者に対して「今、育てにくい子どもにできること」を具体的に示しています。

どうか、お父さん、お母さんの手で、叱られ続けて、どうしていいか困っているお子さんを救ってあげてください。

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徳田克己先生プロフィール

キッズハグ監修者 徳田克己先生

筑波大学医学医療系教授。教育博士、臨床心理士、専門は子ども支援。全国の幼稚園、保育所などを巡回して、保育者や保護者を対象とした気になる子どもの相談活動を行っている。「気になる子どもの保育ガイドブック」「育児の教科書クレヨンしんちゃん」(福村出版)、「親を惑わす専門家の言葉」(中央公論新社)など、著書多数。