9月のテーマ:「トイレについて」~トイレトレーニングの進め方~
第2回 トイレトレーニングの進め方
著者:東京未来大学 こども心理学部 講師 西村実穂先生
子ども支援研究所 専任相談員 大越和美先生
今回のコラムでは実際のトイレトレーニングはどうやって進めていけばよいのかについてお伝えしたいと思います。
トイレトレーニングを始める前の心構え
まず初めに、トイレトレーニングは段階的に進むものではないと思ってください。
先週はうまくできていたのに、急に失敗が続くようになったという人もいることでしょう。
トイレトレーニングのペースや進み方は子どもによって違うので、保護者が焦らないことがとても重要です。
トイレトレーニングの進め方
トイレトレーニングは以下のステップで進めます。
①おしっこの感覚を(大人が)つかむ
おむつを替えようとおむつを脱がせても、おむつが濡れていないことがあります。
この時間が2時間程度あくようになったらトイレトレーニングを始める段階になったということです。
②おしっこに誘う
お母さんがおしっこの感覚をつかんだら、おしっこが出る前に「おしっこ行こうか」と誘います。
15分ごとにトイレに誘うといったように短い間隔でおしっこに誘う保護者もいるかもしれません。
しかし、それではしっかりおしっこが溜まっていない状態で少しずつおしっこを出すという状態になってしまいます。
おしっこが溜まってトイレで出た、という感覚を得にくいのでやめたほうがよいでしょう。
③おむつをはずす
トイレに誘ってトイレでおしっこができるようになり、一日の半分くらいは成功するようになったらおむつからパンツに履き替えてみます。
最初は失敗して当たり前、と思うこと、そして失敗してもがっかりしたそぶりを見せたり、叱ったりしないことがとても大切です。
④自分からおしっこに行く
日中パンツで過ごせるようになったら、次は自分でおしっこに行くのを待ちます。
おしっこ行こうか、と声をかけるのをやめてじっと待ちます。
なかなか自分からおしっこと言わない、と焦ったりイライラしてしまうお母さんも多いでしょう。
こちらから声をかけないと失敗することも多いので、大人はがまんの時期です。
自分からおしっこ、と言えるようになったらトイレトレーニング終了です。
著者紹介
西村実穂
東京未来大学こども心理学部 講師 看護師・保育士
乳児保育の専門家として、近年は院内保育や子どもの食に関する問題、気になる子どもの保育の研究に取り組んでいる。
保育所や幼稚園を巡回し、気になる子どもの関する相談活動を実施している。
大越和美
子ども支援研究所 専任相談員
特別支援コーディネーターとして長年幼稚園に勤務。
現在は、数多くの保育園や幼稚園を
巡回し保育者や保護者の支援に取り組んでいる。
過去のコラムはこちらから
9月第1回「トイレトレーニングの準備について」を読む
8月第4回「夜泣き、夜驚について」を読む
8月第3回「効果的な寝かしつけ方」を読む
8月第2回「お昼寝について」を読む
8月第1回「子どもにとって適切な睡眠時間とは?」を読む
7月のコラム「テレビ・ビデオの見せ方」を読む
6月のコラム「祖父母との上手な関わり方」を読む
5月のコラム「病院のかかり方」を読む
4月のコラム「叱り方について」を読む