8月第3回 効果的な寝かしつけ方
第3回 効果的な寝かしつけ方
著者:東京未来大学 こども心理学部 講師 西村実穂先生
子どもは夜になったら自然に眠るというわけではありません。
夜は子どもが眠くなるのを待つのではなく、決まった時間に寝る準備をして寝かし付ける必要があります。寝る準備として寝室を暗くし、テレビを消して静かな空間を作り、寝る雰囲気を作ります。寝室は電気を消したけれど、隣の部屋では大人がテレビを見ているという状態では、子どもは気になって眠れません。寝かしつける人だけではなく、家族全員が協力して寝るための環境を作ることが大切です。
また、布団に入ってからも大人がケータイやゲームに夢中になっていると、子どもは無視されている状態になります。そうすると、子どももテレビやゲームに夢中になって目覚めてしまいます。大人に相手にしてもらえないために退屈して、子どもの気持ちが満たされないまま眠りにつくことになってしまいます。
寝る直前まで戦いごっこをしていたのに、急に寝なさいと言われてもなかなか寝付けるものではありません。寝る前には子どもが静めて「今から寝るんだ」と意識できるようにすることが必要です。そのために、昼間遊んでいたおもちゃたちに「くまさん、おやすみなさい」などのあいさつをすることを習慣化するのもひとつの方法です。
また、寝る前に子どもに絵本を読むという家庭も多いと思いますが、絵本ならなんでもよいというわけではありません。子どもが興奮してしまうような絵本では逆効果です。読み方にも注意が必要です。登場人物ごとに声色を変えて子どもを楽しませるよりも、淡々とお話を聞かせるつもりで絵本を読むほうがよいでしょう。女性の高い声よりも、男性のの低い声の方が落ち着く子どもは多いです。寝る前の絵本を読むのはお父さんの役割と決めてお父さんに寝かしつけを任せることも一つの手です。
夜更かしの日が続いてしまった、というときには…
まずは朝早く起きることから睡眠リズムの調整を始めます。朝が苦手でなかなか起きられないという場合は、カーテンを開けて太陽の光を浴びてください。朝の光を浴びることで身体が「新しい一日が始まった」と認識して「活動しなきゃ!!」と目が覚めます。
著者紹介
西村実穂
東京未来大学こども心理学部 講師 看護師・保育士
乳児保育の専門家として、近年は院内保育や子どもの食に関する問題、気になる子どもの保育の研究に取り組んでいる。
保育所や幼稚園を巡回し、気になる子どもの関する相談活動を実施している。
過去のコラムはこちらから
8月第2回「お昼寝について」を読む
8月第1回「子どもにとって適切な睡眠時間とは?」を読む
7月のコラム「テレビ・ビデオの見せ方」を読む
6月のコラム「祖父母との上手な関わり方」を読む
5月のコラム「病院のかかり方」を読む
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