偏食コラム第50回


コラム:コンプレックスを引きずってしまう子どもたち

子どもの偏食を良くするために、「とりあえず一口だけでも無理に食させる」といった対応は、これまでによく行われてきたことです。

しかし、このような対応はトラウマをつくる原因になるだけでなく、発達障害(ADHD、アスペルガー障害等)の傾向のある子どもには特に有害であることがわかっています。

過去のケースをお話します。

自閉症と診断を受けた子どもが、給食で白いご飯を食べられずにいました。

それを見た先生は、「毎日食べているでしょう、早く一口でもいいから食べなさいよ」と半ば強制的に、スプーンにのせたご飯を口に入れたことがありました。

それ以降、その子どもはご飯を数年間食べることができなくなりました。

上記のケースはこの強制を「怖かった体験」として子どもが捉え、長い期間引きずってしまったのです。

そのような体験が偏食を悪化、あるいは発生させることがあるのです。

小さな頃のトラウマ体験は、その後も長きにわたって影響していくことがあります。

何度も言うようですが、偏食の対応の基本はスモールステップとほめることです。