10月のテーマ:乳幼児期の親子の食事について~授乳中の母親の食事制限について~


第1回:授乳中の母親の食事制限について

著者:東京未来大学 こども心理学部 講師 西村実穂先生

母乳はお母さんの血液からできているため、お母さんの食べる物によって、母乳の味や質が変わるといわれています。

授乳

授乳中の食事に気を付けていらっしゃる保護者の方は多いことでしょう。

授乳中に食べたり飲んだりしてはいけないものとして、薬やアルコールなどがよく知られています。

薬は授乳中には好ましくありません。病院で処方してもらう際には授乳をしていることを必ず医師に伝えるようにします。

授乳中はアルコールを控えることが原則ですが、アルコールと気づかず飲んでしまう可能性があり、注意が必要なのが栄養ドリンクです。

栄養ドリンクのなかにはアルコール分が含まれているものがあるのですが、アルコールだと認識している人は少ないでしょう。

商品の表示をよく見て、アルコール度数が高くないかをチェックするようにしてください。

また、1本に含まれるアルコール量は少なかったとしても、多量に摂取しては意味がありません。

1日1本飲むくらいであれば問題ありませんが、一日に何本も飲むことは控えましょう。

授乳をしているときの食事は、油脂や砂糖をあまり使用しない和食が望ましいでしょう。

和食しかし、和食しか食べてはいけないというわけではありません。

食事に気を遣うあまり、和食や野菜しか食べないというような極端な食事制限をする人がいます。

過度に制限をすることによって、健康な身体を維持したり母乳を作るために必要な栄養素が不足してしまい、お母さんの身体の調子が悪くなってしまうことがあります。

また、栄養が不足すると母乳の質が落ちてしまい、赤ちゃんの体重が増えないことがあります。

食べることは人にとって楽しみのひとつです。

038982本当はケーキを食べたいけれど、授乳中だから口にしてはいけない、と楽しみを制限してしまうことで、お母さんのイライラにつながることがあります。

子育てを頑張っているごほうびとして、たまにはケーキを食べるというように、お母さんの気分転換程度であれば洋菓子を食べても構いません。

ただし、ケーキを食べても平気だという人もいれば、一口クリームを食べただけなのにおっぱいが詰まってしまうという人もいます。

最初は一口だけ食べてみておっぱいが張らないかどうか様子を見る、というように少しずつお母さんが自分自身の身体のことを知っていきましょう。

 

著者紹介

西村実穂
東京未来大学こども心理学部 講師 看護師・保育士
乳児保育の専門家として、近年は院内保育や子どもの食に関する問題、気になる子どもの保育の研究に取り組んでいる。
保育所や幼稚園を巡回し、気になる子どもの関する相談活動を実施している。

 

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