12月のテーマ:感染症について~感染症を理解しましょう~


第1回:感染症を理解しましょう

著者:東京未来大学 こども心理学部 講師 西村実穂先生

感染症とは、病気の原因となる病原体が身体の中に入ってきて起こる病気です。

病院体内に病原体が入ると必ず症状が出るかというと、そうではなく、感染症にかかっていても、症状が出ない場合も多いです。
感染症が発症するのは

①病原体があること

②感染のためのルート(感染経路)があること

③子ども自身の抵抗力が病原体より弱いこと

という3つの条件がそろったときです。
病原体とは細菌やウイルスと呼ばれるものです。

インフルエンザウイルスが原因の場合はインフルエンザが発症する、風疹ウイルスが原因の場合は風疹が発症するといったように、感染症によって原因となる細菌やウイルスは異なります。
感染経路は飛沫感染、経口感染、接触感染、空気感染の4つがあります。

病原体が含まれる咳やくしゃみを吸いこむことによって感染するのが飛沫感染、病原体に直接触れることによって感染するのが接触感染、病原体の含まれる食べ物などが口から体内に入り感染するのが経口感染、病原体の含まれる空気を吸いこみ感染するのが空気感染です。

感染症を防ぐためには、この4つの感染経路を遮断する必要があります。

子ども自身の抵抗力とは、身体に病原体が入ってきたときにそれをやっつける力のことです。

生まれてから1年くらいはお母さんからもらった抵抗力があるので、感染症にかかりにくくなっています。

しかし、1歳を過ぎるころからお母さんからもらった抵抗力がなくなってしまうので、さまざまな病原体から身体を守る抵抗力をつけていかなくてはなりません。

抵抗力をつける方法には、予防接種を受けることと元気な身体をつくることの2つがあります。

予防接種を受けることで子ども自身の抵抗力を高めることができます。

それに加えて、予防接種を受けることには周りの人に感染症をうつさない、感染症にかかっても重症化することを防ぐという意味もあります。

元気な身体をつくるためには、よく食べ、よく眠り、よく身体を動かすことが大切です。

元気な身体に病原体が入ってきても病原体をやっつけ、感染症の発症を防いだり、発症したとしても早く回復することができます。

 

著者紹介

西村実穂
東京未来大学こども心理学部 講師 看護師・保育士
乳児保育の専門家として、近年は院内保育や子どもの食に関する問題、気になる子どもの保育の研究に取り組んでいる。
保育所や幼稚園を巡回し、気になる子どもの関する相談活動を実施している。

 

過去のコラムはこちらから

11月のコラム「育児のイライラ対処法」を読む

10月のコラム「乳幼児期の親子の食事について」を読む

9月のコラム「トイレについて」を読む

8月のコラム「子どもの睡眠について」を読む

7月のコラム「テレビ・ビデオの見せ方」を読む

6月のコラム「祖父母との上手な関わり方」を読む

5月のコラム「病院のかかり方」を読む

4月のコラム「叱り方について」を読む