8月第2回:お昼寝について


お昼寝について

著者:東京未来大学 こども心理学部 講師 西村実穂先生

お昼寝の役割

夏の昼寝子どもにとってお昼寝は、体力を回復させるために必要なものです。また、それだけではなく、脳を休ませるためにもお昼寝が必要です。午前中、たくさん活動をするなかで子どもは脳に多くの刺激を受けています。刺激を受けると脳も疲れてしまうので、昼に休息をとって、脳を休めることが望ましいのです。では、どのくらいお昼寝の時間をとればよいのでしょうか。子どもにとって必要な睡眠時間は個人差が大きく、子どもの体質に合わせるのが一番です。お昼寝をしても、夕方にウトウトと眠たくなってしまうようであれば、お昼寝の時間を長くする、というように子どもの活動のようすを見て調整することが必要です。逆に、お昼寝をしなくても、夕方まで体力が持つというお子さんであれば、お昼寝という形ではなく、横になるだけにしたり、静かに遊ぶようにするとお昼寝にこだわらなくてもかまいません。

 お昼寝の時間が長い場合には夜寝るのが遅くなります。お外でいっぱい遊んで疲れただろうな、という日にはお昼寝の時間を長くしても構いませんが、いつものお昼寝時間プラス30分くらいまでにしておいて、夜早く寝る習慣を守るようにします。夕方に寝ていてくれた方が夕食の準備や家事をしやすく、都合がいいという事情があるかもしれませんが、夕方の4時、5時ごろまで寝ていると、夜間の睡眠に影響が出てしまいます。夜寝る時間を考えると、3時半までには昼寝を切り上げたほうがよいでしょう。

お昼寝後の遊びについて注意しておかなくてはならないこと。

午後の昼寝お昼寝後は家の中で遊ぶようにしている、という家庭もあるかもしれませんが、活動をしないと、身体は眠たくなりません。お昼寝後にも身体を動かす遊びをすることが必要です。保育所では、園庭に出て遊んだり、ホールで身体を動かす遊びをします。午後は幼稚園から帰ってきて、家庭で過ごしているお子さんであれば、お昼寝から目覚めておやつを食べたら歩いて夕食の買い物に出かける、30分程度外で遊ぶ時間を作るなど、夕方にも身体を動かすことを意識するとよいでしょう。身体をたくさん動かし、夜にスムーズに寝られるように準備をします。

 

 

 

 

著者紹介

西村実穂
東京未来大学こども心理学部 講師 看護師・保育士
乳児保育の専門家として、近年は院内保育や子どもの食に関する問題、気になる子どもの保育の研究に取り組んでいる。
保育所や幼稚園を巡回し、気になる子どもの関する相談活動を実施している。

 

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