11月のテーマ:育児のイライラ対処法~配偶者に協力を求める効果的な方法~


第3回:配偶者に協力を求める効果的な方法

著者:筑波大学 准教授 水野智美先生 

専業主婦(主夫)の家庭と共働きの家庭とでは、配偶者に求める家事や育児の分担内容は異なってきます。

088853また、それぞれの家庭の事情によっても、役割分担や担う割合も違います。

そのため、事情の違う他人の家庭の状況を聞いて、その家庭をうらやんでも仕方がありません。

最もいけないのは、配偶者に対して、他人の家庭と比較して嫌味を言うことです。

「〇〇さんのだんなさんは、あれも、これもしてくれるのに・・・」などと言えば、ご主人は気分を害してしまい、より協力を求めることができなくなってしまいます。

他人の家庭と比較するのではなく、自分の家庭でやらなくてはならない家事や育児を具体的に書き出し、それぞれの家庭の事情に合わせて、どちらが何をするのかを冷静に話し合って決めておきましょう。

日本では男性が家事や育児に協力的になってきたのはつい最近の話です。

079216家事や育児をほとんどしてこなかった父親の元で育った男性は、男性が家庭で家事や育児をどのようにすればよいのかのモデルがないために、自分自身も何をどうすればよいのかがわからないという現状があります。

そのため、何をしたらよいのか、どのようにしたらよいのかを具体的に伝えてください。

さらに、男性からは、「手伝って(奥さんに)怒られるぐらいなら、やらない方がいい」という声をよく聞きます。

奥さんとしては、自分が望んだとおりにしてほしいという思いがあるでしょうが、ここからここまでのことをやってほしいなどとやるべき範囲や方法を伝えた後は、相手に任せましょう。

多少、自分とは違うやり方をしていたり、うまくできていなかったりしても、ここはご主人が徐々に成長していく過程なのだと割り切ってください。

大切なのは、「ありがとう」と感謝を伝えていくことです。

ご主人も、自分がうまくできていないことを実はよくわかっています。

しかし、奥さんから感謝されると、「よし、次はうまくできるようにがんばるぞ!」と考え、それ以降も続けて取り組もうとしてくれるケースが多くあります。

配偶者を家事や育児のパートナーとして育てていくという気持ちをもってみてください。

 

著者紹介                                 ビシュケク1 (25)

水野 智美・・・筑波大学医学医療系 准教授 臨床心理士
専門は命の教育、乳幼児期の臨床保育学、障害理解
近年では幼児に対する命の教育や気になる子どもの対応に精力的に取り組んでいる。

過去のコラムはこちらから

11月第2回「周りに相談できる人がいないときの対処法」を読む

11月第1回「子どもにイライラしてしまうときにどうすればいいの?」を読む

10月のコラム「乳幼児期の親子の食事について」を読む

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