7月第2回:見せるテレビ番組の選び方と時間
見せる番組の選び方と見せる時間
筆者:筑波大学 准教授 水野智美先生
見せる番組や見せる方法によって、テレビやビデオは子どもの発達に良い影響を与えます。
前回に書きましたが、見せる番組や見せる方法によって、テレビやビデオは子どもの発達に良い影響を与えます。つまり、どの番組でも子どもの発達に役立つわけではありません。では、子どもの発達に良い影響を及ぼす番組はどのようなものかと言うと、子どもが理解できる言葉を使用していること、困っている仲間を助ける大切さを学べること、うれしい、楽しい、悲しいなどの感情の表現の仕方を学べること、あいさつなどのコミュニケーションの方法を学べ
ることなどが期待できる番組です。私たちの研究で、子ども向けに作られたテレビやビデオの番組から、下に示す18の項目を学べることがわかっています。1つの番組ですべての項目を学ぶことはできないので、良い番組を組み合わせます。そのため、どの番組を子どもに与えるとよいのかを保護者が見て、選んでおく必要があります。
テレビを通じて学べる18の項目
- 健康や安全
- 感情の表現
- 仲間と協力
- 仲間の援助
- 役割遂行
- 思いやり
- 物の性質・使い方
- 数
- 形
- 大きさ
- 自然への関心
- 言葉
- コミュニケーション
- 社会のルール・マナー
- 工夫
- 芸術的感覚
- 身体の運動
- 正義感
テレビ・ビデオを見る時のポイント
だらだらテレビやビデオを見ることで、得られるものはあまりありません。そのため、番組をただ流しておくのではなく、テレビ番組ならば録画をするなどして、15分を一区切りとして子どもが見られるようにすることが大切です。15分の番組が終わったら、親子で番組の内容について話をした後に、改めて15分の番組を見るというようにしてください。
また、一日の限られた時間の中で、テレビやビデオを見る時間の割合が多すぎると、その他の活動をする時間が制限されてしまいます。テレビやビデオを見る時間が長すぎて、その他の活動をする時間が少なくなれば、子どもの発達によくありません。一日の生活の中で、テレビやビデオを見る時間を各家庭で振り返り、バランスよくさまざまな活動ができるように時間の配分を考えてください。
筆者紹介
水野 智美・・・筑波大学医学医療系 准教授 臨床心理士
専門は命の教育、乳幼児期の臨床保育学、障害理解
近年では幼児に対する命の教育や気になる子どもの対応に精力的に
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