5月第3回:親子にとって大切な「病院選び」のコツ
子どもと保護者にとってよい病院を選ぶためには
筆者:浜松医科大学 医学部看護学科 助教 坪見利香先生
子どもは自分の体の変化を伝えることができないので、親は子どもの体調がとても心配になります。
まずは、子どもの体調の変化や成長を理解してもらえる「かかりつけ医」を選ぶことが大切です。
「かかりつけ医」を選ぶポイント
- ・自宅から近い。
体調が急に変化したときはすぐに診てもらいたいという気持ちになります。親が一人で子どもと受診することを考えると自宅から近いほうが便利です。
- ・小児科の専門医である。
アレルギー科・小児科とか、内科・小児科など複数の診療科を掲げているところがあります。なかには内科の医師が小児科も担当するケースがあります。小児科の専門医であれば、健診や予防接種、子育てや子どもの発達についての相談がしやすくなります。小児科の専門医であるかどうかは、病院やクリニックのホームページに載っていますので確認しておきます。
- ・ていねいに診察してもらえる。
大きな病院では、曜日ごとに担当医が違ったりします。同じ医師の診察を希望するには予約が必要なことがあります。それに比べて地域の子どもクリニックは同じ医師が担当していますから、子どもの体質や病気の経過を把握したうえで診察が受けられるので保護者は、より相談しやすくなります。
- ・説明がわかりやすく、相談しやすい雰囲気
子どもの診察で医師と話をするのは保護者です。子どもの症状や、処方される薬の使い方などをわかりやすく保護者に説明してくれることが重要です。また、保護者が話す「気がかり」についても耳を傾けてくれることも大切です。
診察前にあらかじめ相談したい内容についてメモしておくことで落ち着いて相談することができます。しかし、保護者が診察中に医師とじっくり話がしたいとき、子どものキゲンが悪くて難しい時があります。そんな時、ちゃんと話を聞いてもらえる雰囲気を作ってくれるかどうか、看護師がそばにいてサポートしてくれるかどうかもポイントです。
「かかりつけ医」を選ぶもう一つのポイント
「かかりつけ医」を探すときはママ友の口コミも参考にはなりますが、医師との相性には個人差があります。また医師との関係だけでなく、相談しやすい医療スタッフがいるかどうかも大切です。医師との橋渡しをしてもらえる人がいれば「かかりつけ医」として通いやすくなります。
最近の小児科には、待ち時間を減らすためにインターネットを利用して予約をしたり、待ち時間を確認できるようになっているところがあります。子どもの体調によっては来院する時間や待合室が変わることもあります。初めて受診する場合は、子どもの体調を簡潔に伝えたうえでどのように受診したらよいかを電話で問い合わせてから出かけましょう。
筆者紹介
坪見 利香:浜松医科大学医学部看護学科 助教 看護師
小児看護学を担当。専門は障害のある子どもの看護、子どもの外来看護
小児科を中心に様々な外来での勤務経験あり。