偏食対策コラム 第1回 まずは原因を考えてみよう。発達障害の傾向がある子どもの偏食
はじめに
本コラムは「保護者の方」向けの内容となっております。保育者の方はチャイルド本社より発行されております書籍「具体的な対応がわかる気になる子の偏食―発達障害児の食事指導の工夫と配慮 」をご覧ください。
発達障害の傾向がある子どもの極度の偏食
「偏食」と一口に言っても、その度合や特徴はさまざまです。
特に極度の偏食の場合、「ある特定のメーカーの特定の食品でなければ、どんな調理の仕方をしても手をつけない」という例もあります。
「一口なら食べられる」というケースは少なく、全く食べられないのです。
このような極度の偏食は、発達障害(ADHDやアスペルガー障害)を持つ子どもに顕著に現れる傾向にあります。
発達障害の傾向のある子ども全員に偏食傾向があるわけではありませんが、その傾向があらわれる子どもやその保護者にとっては、身体づくりの第一歩でもある食事に強いこだわりが現れると、さまざまな工夫が必要とされます。
「特定のものしか食べてくれないので、このままでは栄養が偏ってしまう」
「がんとして口にしようとしてくれない」
このようなとき、まずは何から取り組めばいいのでしょうか?
まずは偏食の原因を考えてから対策を
大切なのは、まずは偏食の原因を考えることと、それに適した対策を講じることです。
子どもの偏食を解消させるために、インターネット等でどうすればよいか検索して調べる保護者の方は多くいると思われます。
しかし、インターネットに掲載されている「これで上手くいった!」という事例は、あくまでも「その子だから上手くいった」ケースです。
他のお子さんで上手くいった方法が、必ずしも自分の子どもにも通用するというわけではありません。
極度の偏食は、子どもの性格や育った環境、今までの食事との向き合い方によってさまざまであり、それらへの有効な対策も異なることが多いのです。
やみくもにいろんな手法を試してみるのではなく、まずは原因をよく考えて、お子さんのペースとも相談しながら対策を進めていきましょう。
極度の偏食のある子どもに無理に食事を与えると、強い抵抗を示すだけでなく、食事そのものに対して恐怖心を持つことになり、偏食を悪化させる可能性が出てきます。
ゆっくりと少しずつのペース、「スモールステップ」で進めていき、お子さんに少しでも偏食の改善が見られた時は、大袈裟なくらいほめてあげましょう。その繰り返しが、確実に偏食の改善を進めていきます。
第2回では、子どもに偏食の傾向がみられた時の対応として大切な4つの鉄則をご紹介します。
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