偏食対策コラム第6回 偏食の子どもが苦手な食べ物を、普段食べるものに混ぜてみたら……
好き嫌いの克服法として、「苦手な食べ物を気付かれないように他の食べ物にこっそり混ぜて出す」という手法を試してみるというのは、よくある話です。例えば「たまねぎが苦手な子だけど、柔らかく煮込んでペーストにしたたまねぎをスープに混ぜたら、気づかずに喜んで飲んだ」というのがいい例です。
しかしこの手法、発達障害の傾向がある子どもにとって、偏食を克服するつもりが逆効果になってしまう場合もあります。次のような例も起こりうるからです。
苦手な食べ物を好きな食べ物に混ぜてみた結果
「子どもの苦手な食べ物を小さく刻んで、普段食べているご飯に混ぜてみました。気が付かずに食べるかなと思ったのですが、子どもはご飯ごと吐き出してしまいました。
警戒してしまったのか、その後、好きなはずのご飯も食べなくなってしまいました……。」
偏食の子どもにとって、嫌いなものを気付かせないように混ぜるのは難しい上に危険
お子さんに苦手な食べ物を克服してほしい気持ちはとてもよくわかりますが、上の例のように、苦手な食べ物を小さくしてご飯に混ぜるのは、偏食の子ども相手には良い方法ではありません。
ご飯のように味がシンプルなもの、しかもいつも食べているものであれば、なおさらその味の変化に気付きやすくなります。
偏食の子どもにとって、嫌な食べ物を一度でも混ぜられ、そのことに気付いてしまうと「次のご飯にも入っているのかも……」と、食事のたびに疑念を抱かせることになります。そのうちに、いつも食べていたはずのものさえ食べなくなってしまう可能性もあります。
偏食を克服するためには、嫌いなものでも必ず子どもに食べられそうかの意思の確認をすることと、混ぜるとしても、混ぜ合わせ方の工夫をすることが必要です。
そして、少しでも食べることができたら、忘れずしっかりほめてあげましょう!
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