5月第2回:小児科以外の病院お子さんを連れて行く
小児科以外の診療科を受診する場合
筆者:浜松医科大学 医学部看護学科 助教 坪見利香先生
子どもと大人の両方を診察できる診療科は、皮膚科、耳鼻咽喉科、整形外科、眼科、歯科、形成外科、脳神経外科、泌尿器科などたくさんあります。
また、大きな病院では子どもの専門外来としてアレルギー科、小児外科、小児神経科、循環器科、血液・腫瘍科、小児歯科などたくさんの種類があってどこに受診したらいいのか迷うところです。
では、どの科に子どもを連れていったらよいのでしょうか?
子どもに特有な病気は、発熱とともにさまざまな症状があらわれてきます。
子どもの皮膚にぽつぽつと発疹(皮疹)ができた場合、保護者は皮膚科に受診しなければならないのかと考えるかもしれません。しかし、子どもの発疹(皮疹)は、水ぼうそう(水痘)や麻疹など感染が原因のことが多いのです。
からだは一つひとつの臓器の集まりではなく、互いに影響しあっているという考え方で子どもを観察してどの科に行くのかを考えたほうがよいです。
<耳鼻科の場合>
かぜがよくなりかけたのに、子どもが不機嫌になって耳をさわることが増えたり、夜に泣きだしたりする場合は中耳炎の可能性があります。
子どもはたまに、鼻や耳に異物を入れてしまうことがあります。このような時は専用の器械で診察をする必要があるので耳鼻科を受診しましょう。
<眼科の場合>
子どもの目に起こる異常は見た目もわかりやすく心配になります。とくに、一方の目だけに症状がある、両目が目やにで開かない場合などは受診してください。他にも下記のような目の異常があれば医師に相談してください。
・正面のものを横目で見る
・目を細める
・頻繁に目をこする
・目が光る
・テレビなどに近づいて見る
・片方の目を隠すと嫌がる
・正面から見て黒目がずれている
<迷ったら小児科で相談を>
大人と同じ診療科の開業医に赤ちゃんを連れて受診したら「子どもは診られない」と断られることがたまにあります。
小さい子どもは体重で処方できる薬の量が決まっているので、症状に応じて薬の調節が必要なため大人用の薬しかおいていないところでは対応できないことがあります。迷った場合は、まず小児科を受診することをおすすめします。
小児科は文字通り子どもの様々な病気やけが、そして発育や発達に関わることすべてについて診察や相談に乗ってくれるところです。小児科では全身の状態を把握したうえで、必要であれば専門の病院(診療科)を紹介してくれます。
筆者紹介
坪見 利香:浜松医科大学医学部看護学科 助教・看護師
小児看護学を担当。専門は障害のある子どもの看護、子どもの外来看護
小児科を中心に様々な外来での勤務経験あり。
子育てラボ記事一覧