11月のテーマ:育児のイライラ対処法~周りに相談できる人がいない時の対処法~
第2回:周りに相談できる人がいないときの対処法
著者:筑波大学 准教授 水野智美先生
ご主人の仕事が忙しくて子育てはほぼお母さん任せで、しかもご両親が遠方に住んでいたり、身体が弱くて子どもを預けることができないという状況で子育てしているお母さん方の相談を聞くことがよくあります。
この場合に、どうしてもお母さん一人で育児を抱え込んでしまい、ついイライラして子どもを叱りすぎてしまったり、どうしようもない程に落ち込んでしまったりするものです。
特に、完璧主義のお母さん程、悩んでしまっている様子が見られます。
まずは、お母さん一人で育児を抱え込まなくてよい状況を作りましょう。
そうは言っても、自分の周りには誰も手伝ってくれる人はいないと嘆かれることがありますが、地域にある子育て支援サービスを有効に活用してください。
たとえば、地域に子育て支援センターがあります。
そこでは、保育士がいて、子どもを上手に遊ばせてくれます。子どもがお母さんの手を離れて遊んでいる間、ちょっと息抜きをしてみてください。
わが子を少し離れて見てみると、「うちの子だけが大人の思い通りにならないわけではないのだ」と気づいたり、自分の子どもの行動を笑って見られる余裕を持てたりできるでしょう。
また、保育士と子どもが遊んでいる様子を見ながら、「こんな時に、子どもにこうやって声をかければいいのね」などと、子どもへの関わり方を学ぶことができます。
その他にも、屋内遊戯施設に子どもを連れて行くことも有効です。
屋内遊戯施設であれば、子どもは閉じられた空間にいるので、交通事故などの心配はありません。
また、子どもの遊びをサポートしてくれる指導者を置いているところもあります。
どうしてもお母さんの気持ちが落ち着かず、一人になりたいと思った時には、保育所の一時預かりサービスを利用するのもいいでしょう。
少しの時間、お子さんと離れて、ゆっくりとご飯を食べたり、おいしいコーヒーを飲んだり、美容院に行ったりするだけで、お母さんの気持ちはずいぶんとリフレッシュできます。
母親として家事も育児もきちんとしなくては・・・と気負わず、育児で手を抜けるところは手を抜いて、ニコニコと笑っていられるお母さんでいることが子どもにとって一番良い環境です。
著者紹介
水野 智美・・・筑波大学医学医療系 准教授 臨床心理士
専門は命の教育、乳幼児期の臨床保育学、障害理解
近年では幼児に対する命の教育や気になる子どもの対応に精力的に
過去のコラムはこちらから
11月第1回「子どもにイライラしてしまうときにどうすればいいの?」を読む
10月のコラム「乳幼児期の親子の食事について」を読む
9月のコラム「トイレについて」を読む
8月のコラム「子どもの睡眠について」を読む
7月のコラム「テレビ・ビデオの見せ方」を読む
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