10月のテーマ:乳幼児期の親子の食事について~哺乳瓶を嫌がる時の対処法~


第2回:哺乳瓶を嫌がるときの対処法 

著者:東京未来大学 こども心理学部 講師 西村実穂先生

生まれたばかりの赤ちゃんは、口にふれたものはなんでも反射的に吸おうとします。

しかし、生後しばらくすると、お母さんのおっぱいと哺乳瓶の乳首を区別するようになります。

これは自我が芽生え、お母さんのおっぱいを選べるようになったという成長の証です。

とはいえ、哺乳瓶を使ってほしいと切実に思っている保護者の方もいらっしゃるでしょう。

哺乳瓶を嫌がる場合

いろいろな哺乳瓶まずは哺乳瓶の乳首の素材や形を変えてみます。

乳首のゴムのにおいが嫌、乳首の穴の大きさが合っていない、口に入れたときの乳首の形が苦手など、赤ちゃんによって嫌がる原因は異なるので、赤ちゃんに合ったものを探すようにするとよいでしょう。

離乳食を開始する時期を過ぎているのであれば、食器に慣れることも必要です。哺乳瓶にこだわらず、スプーンで一口ずつ飲ませたり、コップを使って飲ませる方法もあります。

哺乳瓶で粉ミルクを飲ませている場合

哺乳瓶粉ミルクの味が気に入らないために飲まないことがあります。

現在さまざまなメーカーから粉ミルクが発売されていますが、メーカーによって粉ミルクのにおいや味は異なります。

赤ちゃんの好むメーカーの粉ミルクを探してみてください。

また、ミルクの味を左右する原因のひとつに温度が挙げられます。

母乳はお母さんの身体から出てくるのでいつも温かく、飲みやすい温度になっています。

一方、哺乳瓶を使っている場合には、飲み始めの時にはちょうど良い温度に調整されていますが、ミルクを飲んでいるうちにミルクが冷めてしまいます。

赤ちゃんは冷めてしまったミルクはおいしくないと感じます。ミルクを作ってから時間が経ってしまったときには湯せんをして温めなおしてみてください。

さらに、哺乳瓶を使って授乳する時と、お母さんの母乳を飲むときでは赤ちゃんの姿勢が異なります。

できるだけお母さんの母乳を飲むときの姿勢に近くなるようクッションなどを使用して抱き方を変えてみましょう。

また、哺乳瓶を横に倒しすぎていると赤ちゃんの口にミルクが入りにくくなり、赤ちゃんが強く吸わないといけなくなります。

赤ちゃんの身体に対して哺乳瓶が垂直になるよう哺乳瓶の持ち方に気を付けます。

 

著者紹介

西村実穂
東京未来大学こども心理学部 講師 看護師・保育士
乳児保育の専門家として、近年は院内保育や子どもの食に関する問題、気になる子どもの保育の研究に取り組んでいる。
保育所や幼稚園を巡回し、気になる子どもの関する相談活動を実施している。

 

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