園の「行事」を通じてお子さんが学ぶこと
実例:「発表会」に関連した子どもとの接し方
行事は3つの学びのとき
1.目標に向かって努力をする
子どもたちは、運動会や発表会に向けて練習を重ねていきます。
練習は、楽しいときもありますが、辛いと思うときもあります。
子どもたちは、「練習を、ちゃんと、最後までやり続けた」という経験を通して、目標に向かって、努力をすることを学びます。
2.自信がつく
たくさんの人たちの前で、歌ったり、楽器を演奏したり、セリフを言ったり、ダンスを踊ったり、かけっこをしたりする「本番」を経験します。
ドキドキする気持ちを味わいながら、「やった!」「できた!」という自信がつくときです。
3.協調性が育つ
年中児や年長児になると、「みんなで力を合わせてひとつのことをやり遂げた」という気持ちを持ちます。
子どもたちは一緒にがんばる喜びを感じ、協調性を身につけます。
♪3つの学びから生まれる自立する心
音楽的な発表では技術を学び、体育的な発表では体を動かす楽しさを感じます。
子どもたちは、練習と本番を通して、努力してほめられる喜びを感じ、自信がつき、強調性が育つという経験を積み重ねていきます。
そして、自分ひとりの力で物事に向き合い、やり遂げようとする自立する心が育ちます。
自立する心とは、強い心、くじけない心です。
強い心が備わった子どもは、たとえ失敗しても前を向いて進んでいけます。
発表会に向けた親の考え方と態度
プレッシャーをかけない
本番に向けて、家で練習をさせ、間違えたら「やり直し!」ということをしていると、だんだんと失敗を恐れるようになり、本番でうまくできなくなってしまいます。
園では、先生が子どもたちの顔をしっかりと見ながら、子どもたちのペースに合わせて練習をしています。
練習は、プロである園の先生に任せます。
子どもから、遊びの中で自発的に「見て」「聞いて」といって練習をするときには、子どもと一緒に楽しみ、ほめる言葉をかけてあげてください。
そして、本番の朝に「大丈夫?、しっかりできる?」という言葉かけは、子どもたちを萎縮させ、緊張させることを知ってください。
本番だけを評価しない
本番に向かって練習を続けていくことが、子どもが成長するために最も大事なことです。
本番では失敗するかもしれません。
本番の様子だけを見て、お父さんやお母さんが残念がると、子どもが練習でがんばってたことがすべてふいになってしまいます。
発表会の本番その場だけの成果を見るのではなく、本番に向けてがんばって練習してきた努力に目を向けてください。
日頃から「一生懸命、練習をしたことが価値があること」を子どもたちが感じられるような言葉かけをしてください。
うまくいっても失敗しても、「頑張って良かった、また、次も頑張ろう」と、子どもが思える親の対応が大切です。