偏食対策コラム第2回 子どもに偏食が見られた時の対応として大切な4つの鉄則


気になる子の偏食対策

今回は前回のコラム(偏食コラム第1回 まずは原因を考えてみよう。発達障害の傾向がある子どもの偏食)で触れた子どもに偏食が見られた時の対応として大切な4つの鉄則をご紹介します。

鉄則その1 食べない原因を考えよう

子どもによって食べない原因はさまざまです。その原因がわからないまま対策を講じても逆効果となってしまう場合があります。まずは偏食の原因を探ってみましょう。

偏食の原因の例を下記に挙げてみます。
・味が苦手
・食感が苦手
・食べ物のにおいが気になる
・食器が使いづらい
・食べる場所や環境で食事以外に気になることがある
・食べること自体に関心が薄い
・過去に食事にまつわる嫌な経験があった

鉄則その2 無理矢理食べさせない

偏食は無理に一口食べたからといって解決するものではありません。
無理に食べさせると、子どもは食事に対して嫌なイメージが植え付られ、偏食を強めてしまうことがあります。
無理に食べさせるのは控えましょう。

鉄則その3 スモールステップで取り組もう

偏食を軽減していく、無くしていくにはかなりの時間を要します。場合によっては、年単位での対応が必要なこともあります。

なかなか思うように改善が進まなくても、あきらめないでください。子どもに合ったゆっくりとしたペースで、少しずつ指導を行っていきましょう。

例えばリンゴであれば、1日目はごく薄く切った小さなリンゴを1切れ。それを口にできたらすごくほめる。
次の日には2切れ、口にできたらもちろんほめる。
その次の日は16分の1にカットしたリンゴ。
そしてその次は8分の1にカットしたリンゴ、次は4分の1カット……といった、小さなステップで地道に進めていくことが大切です。

鉄則その4 変化は最小限に!

発達障害(ADHDやアスペルガー障害)の傾向のある子どもは、変化を苦手とする場合が多くあります。
食事に使う食器や食べる場所・食事の流れなどが異なると、「いつもと違う……」という不安感が心の落ち着きを奪い、偏食にも影響するのです。

食器などの道具

食事の際に使うお箸や、スプーン、お皿、コップ、ランチョンマット等は、毎回同じ、固定のものを使った方が良いでしょう。

食事の場所

食事の部屋はもちろんのこと、座る位置も、「いつも通りの環境」の要素の一つです。

食事の流れ

「いただきます」から始まり、「ごちそうさま」で終わるというように、いつも同じような流れを作ると、安心して食べることができます。

幼児期に偏食を改善させることの大切さ

幼児期の偏食に対する指導は、なかなか思うように進まないことが多々あります。
しかし、子どもが小さいうちに指導を行っておくことで、その子どもの生涯にわたって食の広がりを後押しすることに繋がっていきます。
「これを行えば必ず偏食が良くなる」というものはありません。それでも、小さな頃から工夫しながら地道に改善へ取り組むことが大切なのです。

「何をしても、この子は特定のものしか食べないんだ。それならもう、食事のときは食べるものだけ用意すればいいかな……」と思うこともあるでしょう。でも、そこであきらめてしまうのはもったいないことです。
継続的な指導は子どもの偏食の改善だけでなく、食事をすることの楽しみの発見にも繋がります。
子どもが小さな頃に指導を行うことによって、子どもの生涯にわたっての食生活を豊かにする可能性が広がっていくのです。

 

 

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