お子さんが病気にかかってしまった…病院に行く前のチェックリスト
病院に受診する前にしておいた方がよいこと
著者:浜松医科大学 医学部看護学科助教 坪見 利香先生
子どもは、体調が悪くなるとキゲンが悪くなったり食欲が落ちたりするなど何らかのサインを示します。保護者は、「いつもとなんだか違う」「元気がない」とサインをキャッチすることで病気の第一発見者となります。子どもは体力がなくてかぜをひきやすく、発熱やおう吐、下痢が続くと脱水状態になりやすくなります。なにより子どもは自分の体調をうまく言葉で伝えることができません。子どものサインをキャッチしてスムーズに診察が受けられるように普段から準備をしておきましょう。
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子どもの受診に必要なもの
<必ず持参するもの>
・保険証、乳幼児受給者証
・母子手帳
これまでの子どもの発育の記録や、予防接種、健診の記録がすぐにわかります。
また、診察前に行う身長や体重の結果を記録することができます。
・お薬手帳
現在他の病院でもらっている病気や薬がわかります。
薬や食物でアレルギーの診断を受けていなくても気になることがあればメモをしておきます。
・子どもの症状に関する情報を書いたメモ
気になる症状はどんなことなのか。いつからあるのかを具体的に示しましょう。「おととい」「昨日」という表現は避けて、「○月○日〇時ごろ」のように具体的な日時で示すようにします。
今までに大きな病気をしたことがあるか、家族にも同じような症状があるかをまとめることがポイントです。からだがピクピクするといった気になる動きや、発疹などの皮膚症状が出はじめた時に携帯のカメラ機能を利用して動画を撮影しておくと医師に伝えやすくなります。
・便(おむつごと持参)やおう吐したもの(ビニール袋に入れて持参)
色や量を説明するのはなかなか難しいので、実物をもっていくとよいです。持参できない場合は、カメラで写真を撮って持っていくとよいです。
・哺乳瓶・ミルク
体調や、診察の順番にもよりますが待ち時間に授乳する場合は、受付に相談してください。
・予備のおむつ、おしりふき、着替え、ビニール袋、タオル、ティッシュペーパー
服装について
子どもの診察中は、きている服を脱がせたり着せたりするのは手間がかかります。また、おう吐や下痢の時は、おむつ交換も回数が増えてきます。なるべく簡単に脱いだり着せたりできるような前あきの洋服がよいです。
<あれば便利なもの>
お気に入りのおもちゃ、絵本、お茶などの水分(待ち時間が長い場合や診察後の子どもの気分転換に効果的です。)
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普段の子どもの様子を知っておく。
子どもの平熱が何度ぐらいかを把握しておくことは、症状の重さを把握するうえで大切な情報です。体温は一日の中でも変化しますし、測り方でも値が異なります。正しい熱の測り方は、図のように子どもの脇の下をタオルでよくふいたのちに、体温計の先端が子どもの脇の中心にあたるようにして、斜め下45℃の角度になるようにしてください。測定中に体温計が動かないように子どもの腕を支えてください。
子どもが「元気なとき」の顔色、キゲン、食欲なども把握しておきましょう。熱が高くてもキゲンがよければ夜中にあわてて病院に駆け込まなくてもよいかもしれません。反対に熱が出ていなくても、いつもと違ってキゲンが悪い状態が続く場合は、受診をしてください。
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誰が子どもを連れていくのか?を調整しておく。
子どもの普段の様子がわかる人が一緒に行ってください。やむを得ない事情で祖父母にお願いする時は、症状についての詳しいメモを渡して代わりに説明をしてもらいます。また、受診するときは、きょうだいは連れていかないで本人だけを連れていけるように家族で調整してください。
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救急の受診先を確認しておく。
地域の小児救急の制度がどのようになっているのかを自治体のWEBサイトや広報で確認しておきます。また、夜間休日診療所などの場所を確認しておくと安心です。ただし、休日夜間診療所は、医師は当番制であり専門医がいない可能性があります。体調が心配なら診療時間内に医療機関を受診すれば相談しやすくなります。
著者紹介
坪見 利香(つぼみ りか)
所属: 浜松医科大学 医学部看護学科 助教
資格: 看護師
小児看護学を担当。専門は障害のある子どもの看護、子どもの外来看護
小児科を中心に様々な外来での勤務経験あり。