ユージさん子育てインタビュー(第4回/全4回)
「本当に大切なのは『相手とどういう時間を過ごすか』。向き合い方次第で、血のつながりよりも固い絆を結ぶことだってできる」
(公開)
第3回から続き
「日々のストレスには休憩が一番。どうしても休みたいと思ったら、まずは相手を休ませてみて」
待ったなしの育児が続く毎日。蓄積していくストレスを、ユージさんはどう解消しているのでしょうか?
「それでも溜まる日々のストレスには、休憩が一番だと思います。でも、これにはコツがあります。どうしても休みたいと感じたら、まずは奥さん(相手)を先に休ませてみてください。
自分が育児でストレスを感じているときは、相手も同じようなストレスを感じているとき。そんなときに自分だけ『疲れた、一時間だけ寝かせて?』と言っても、相手だってきっと『私だって寝てないのよ』と言い返したくなるでしょう?『疲れているよね、一回休んでおいでよ。そのあと、僕も時間もらっていい?』と言えば、Noとは言われないのではないでしょうか。
また、誰かの協力を得るのも大事です。家族やシッターさんなどに協力してもらうことで、夫婦の時間を1時間でも作る。ずっと子どもの相手をしていると、疲労とストレスでパニックになることもあると思うんです。そういうときは、少しの間でも子どもから離れるといいですよ。リフレッシュできますし、子どもにしか向けていなかったお互いの意識を合わせることで、相手に感謝することもできると思います」
「大好きな誰かを大切にできる人であってほしい。家族の根幹は夫婦なんですから」
「子どもには、自分のやりたいことを思いきりやってほしい。そして大好きな誰かを、大切にできる人であってほしいです。
親からみて子どもは絶対的にかわいいものですが、僕と奥さんは元・他人です。恋愛からはじまった関係ですし、意識していなければ冷めることもあると思うんです。大事なのは妻を真剣に愛すること。この気持ちさえあれば、子どものすべてに気が回らなくても、家族としてはうまく機能するのではないでしょうか? 家族の根幹は夫婦。全ては、『その二人がいなかったらはじまらなかった物語』なんですから。妻との出会いがなければ僕のベストファーザー賞もなかったですね(笑)。妻に受賞を報告したら、思いの外、褒めてもらえました。日々のがんばりが認められたのかなと、うれしかったです」
「向き合い方次第で、血のつながりよりも固い絆を結ぶことだってできる」
「わが家のようなステップファミリーも、まずは夫婦の関係が大事です。そして子どもたちの気持ちを思いやった対応が必要ではないでしょうか。
これは別のステップファミリーから聞いた話ですが、新しく生まれた赤ちゃんを家に連れて帰る日は、必ずお父さんが赤ちゃんを抱っこして帰るようにするといいそうです。上の子は、新しく生まれた自分に取って代わるかもしれない存在に不安を感じていますから、出産から帰ってきたばかりのお母さんの手は、上の子を抱きしめるために空けておく。わが家も下の二人が生まれたときに、そのようにしました。
また、血のつながりは、全く意識しなくてよいと思います。その意識が壁になって本質的なものが見えにくくなりますから。『血がつながっている=良い』という単純なことではないと思います。本当に大切なのは、『相手とどういう時間を過ごすか』。向き合い方次第で、血のつながりよりも固い絆を結ぶことだってできるんです」
(了)
・ユージさん子育てインタビュー第1回「長男と出会って遊びつくしたその日から、家族がはじまりました」
・ユージさん子育てインタビュー第3回「時には逃げ場を作ってあげる。お互いの気持ちがつながる叱り方を模索していきたい」
・ユージさん子育てインタビュー第4回「本当に大切なのは『相手とどういう時間を過ごすか』。向き合い方次第で、血のつながりよりも固い絆を結ぶことだってできる」