お子さんを変えるために大切なこと
親の言うことを聞かず反抗的な子ども。反省した態度をとるためにきつく叱るべきなのでしょうか?
相談したいのは、四人兄弟の次男(6歳)についてです。小さい時から落ち着きがなく、怒られるとかんしゃくを起こす子なんですが、約束したことを守らなくて、私が「約束だから今日はやりません!」と叱ると、叫んで反抗します。
また、ふざけた返事を返してくることもあります。
こういう場合は、反省した態度をとるためにきつく叱るべきなのでしょうか?
毎日こんな感じなので、発達障害を疑って検査を受けましたが、正常でした。
この子の叱り方はどうしたらいいのでしょうか?
子どもを変えようとするのであれば、親自身が変わらなければいけない
まず、最初にお伝えしたいのは、お子さんを変えようとするのであれば、親御さん自身が変わらなければいけないということです。お母さんが叱り方を変えず、お子さんだけを変えようとしてもそれは難しいことです。
この質問を見る限り、お母さんはお子さんを叱りすぎているように思います。
これ以上お子さんを叱り続けてもおそらく「叱る効果」はないでしょう。
ふざけて返事をするというのは、お子さんにとってお母さんに叱られることが日常生活の1コマとなってしまっており、お子さんに「お母さんに叱られている」という認識が無くなってしまっているためです。
叱り方をどう変えたら良いかというご質問でしたが、私は、お母さんに今必要なのは、「叱り方を変える」ことよりも「叱りたい気持ちを飲み込む」ことだと思います。
叱りたい気持ちを飲み込む方法として、「まぁいいか20回」というものがあります。1日20回叱りたい気持ちをお母さんが我慢するというものです。
これは、2、3日やったところで効果はありません。最低でも2週間は続けるようにしてください。
また、叱りたい気持ちを飲み込むだけでなく同時にほめる事を続けるようにしてください。
「うちの子にはほめるようなところはないです!」とおっしゃる親御さんが多いのですが、良いことをした時だけでなく、悪いことをしなかった時に「よく我慢できたね」といった形でお子さんをほめてあげることがポイントです。
めったにほめられてこなかったお子さんは、ほめられる=気持ちが良い、ことを実感します。
このようなことを続けていくと、お子さんは親御さんの変化を感じ取るようになります。
そしてその変化を感じたお子さんは、ほめられるようにがまんするように変わっていくのです。
つまり、変われるお母さんだけがお子さんを変えることができるのです。
もし、それを1か月ぐらい続けていって、でもお子さんの様子がほとんど変わらない、あるいは状態が悪化するようであれば、大きな病院の小児神経科か児童精神科の専門医を受診して下さい。
街の中にある小児科や内科ではダメです。もしもお子さんに衝動性があり、このような状態になっているのであれば、とても有効な薬があります。