手先が不器用な時の対処法
身体を動かす機能の発達が遅いお子さんへの対処法
発達障害のある子どもの中には、身体を動かす機能の発達が遅い子どもがいます。
そのため、指先を使う細かい動きが苦手なことがあります。一例としては、小さいものをつかむのが苦手で、スプーンやフォークなどをうまく扱えないことがあります。
このような場合は、道具のサイズを大きくしたり、補助具をつけて、つかみやすくしてください。
補助具は市販のものもありますが、マジックテープや、カーペットなどのずれ防止シートなどを使って固定すると、子どもはつかみやすくなります。
スプーンやフォークの柄は、スポンジなどを巻きつけるのも効果的です。また、細々としたおもちゃは使いにくいので、大きなサイズのおもちゃや、つかみやすい素材のおもちゃを選んでください。
姿勢を保つことが苦手なお子さんへの対処法
発達障害のある子どもは、姿勢を保つことが苦手なことがあります。筋力が弱かったり、体力が十分に備わっていないためです。
よい姿勢を保てないと、腕や手をうまく動かせません。いすに座ったときの姿勢がよくないと、手元がよく見えず、道具がうまく使えないことがあります。手先をうまく使うためには、よい姿勢を保つことが必要なのです。
このような場合は、いすに工夫をしてください。
・いすのどこに座ればいいかわかるように、シールで示す
・ずり落ちないように、すべり止めマットをしく
・背もたれと背中の間にクッションを入れる
・足元を安定させるために、足をのせる台を置く
・いすが動かないように、いすの脚にゴムキャップをはめる
このような対策が有効です。
細かい作業が苦手なお子さんへの対処法
発達障害のある子どもの中には、ぬり絵のように、決められた線の中に色をぬる作業や、小さな枠にシールを貼るなどの細かい作業が苦手な子どもがいます。このような作業をするには、手首を安定させて、指だけを動かす訓練が必要です。
手首を動かさない状態で、指に力を入れる行動を日常生活に取りいれてください。たとえば、指だけを動かす指人形を使うのは効果的です。最初は、お父さんお母さんが手首をもってあげてもかまいません。
粘土を指で引っ張ってのばしたり、何か小さなものを引っ張り合う遊びをすると、つまむ力もつきます。ペットボトルのふたを開け閉めしたりするなど、できるだけたくさん指先を使う行動をしてください。