発達障害、気になる子どもが運動が苦手な時の対処法
運動が苦手な時の対処法
発達障害の子どもの中には、運動が苦手で、スポーツなどのレクリエーションにうまく参加できないお子さんがいます。発達障害の子どもが運動を苦手とする原因と、その対処法をひとつずつ見ていきましょう。
自分の身体の動きをイメージするのが苦手なお子さんへの対処法
発達障害のある子どもの多くは、自分の身体を客観的にイメージすることが苦手です。
「手をあげて体を右にひねりましょう」などといわれても、どこをどのように動かせばいいのかわからず、全体的にぎこちなくなってしまいます。
このような場合は、身体を実際に動かしながら、動かしている部分を教えていきます。
テレビの体操番組などを活用してください。お父さんお母さんは、子どものそばで一緒に体を動かします。
子どもが動かし方をわからないときには、手を添えて動きの形を示します。子どもと同じ動きをする際に、「右手をあげて」など、動かす部分をことばで示してください。この繰り返しで、身体を動かすイメージができるようになっていきます。
身体の動きをコントロールするのが苦手なお子さんへの対処法
発達障害のある子どもは、「どのくらいの力でやればいいのか」「手足をどこまで動かせばいいのか」などの、身体の動きを調節することがむずかしく、全体的な動きがバラバラになってしまうことがあります。
・ボールを投げるときに力が入りすぎて、うまく投げられない
・走るときに、右手と右足が同時に動いてしまう
・タイミングよくジャンプできない
などのようなことがあります。この場合は、ぶらんこやすべり台など、揺れたり、すべったりする動きのある遊びをしてください。親子でじゃれながらごろごろまわったり、お馬さんごっこなどをするのも効果的です。
バランスボールを使ったり、子ども用のトランポリンも、バランス能力をつける上で有効です。
動いているものを目で追うことが苦手なお子さんへの対処法
発達障害のある子どもは、動いているものを目で追うことが苦手です。球技がうまくできないのは、このためです。どのタイミングでボールをキャッチすればいいのか、わからないのです。
まずは、動いているものを目で追いかけることに慣れさせてください。大きくて、やわらかい、色のはっきりとしたボールを使うと効果的です。子どもが目で追いかけていることを確認しながら、子どもがさわれるようにコントロールしつつ、ボール遊びをしてください。
慣れてきたら、ボールを動かすのを速くしたり、「さわる」から「とる」にステップアップして、キャッチボールに挑戦してください。
また、視力の問題が影響していることがあります。メガネをかけたことで、できる運動が増える場合があります。
諦めずに繰り返すことが大事!
発達障害のある子どもは、動きを身につけていくことが、まわりの子どもと比べてゆっくりなのです。
ボールにさわる練習も、あきらめずに繰り返すことが大切です。
「毎日●回やろう」と親子でルールを決めてください。
「●回やったら終わる」と、終わりのタイミングを示すことも大切です。
また、子どもがやりたがらないときは無理やりやらせないでください。そのときは「また明日やろうね」と声をかけます。
「どうして決められたことをやらないの!」と叱るばかりでは、子どもは運動に対して苦手意識を持ってしまいます。次の日に練習したら、ほめてください。
時間は必要ですが、少しずつでも練習をしていくとできることは増えていきます。