発達障害の子どもがストレスを感じない環境を整える
「どうしてこのぐらいのことで怒ったり、泣いたり、大騒ぎしたりするのだろう?」
発達障害のある子どもをもつ親がよく思うことです。発達障害の子どもは、その特性のために、そうでない人たちには分かりにくい困難を抱えています。
発達障害のある子どもによく見られる特性
・いつもと違うやり方をすると大泣きする、怒る
子どもたちの中には、いつもと違うことが起こると「どうすればいいんだろう!?」と不安になり、パニックを起こしてしまったりする子がいます。
・ある特定の音、においを極端に嫌がる
音やにおいについては、発達障害のない人と、感じ方が違う子もいます。
・少しの時間でもじっとしていられない
じっとしていられない子は、衝動的に体が動いてしまうのです。
これらは、発達障害のある子どもによく見られる特性です。こういった無理に特性を押さえつけ、がまんさせても、子どもはストレスを感じるだけです。これらの特性に対しては、以下のように対応してください。
発達障害の子どもがストレスを感じにくい環境をつくる、3つのポイント
「今、何をすればよいのかわかるようにする」
「苦手な刺激を感じなくてすむようにする」
「気が散らない環境をつくる」
このように、子どもたちが不安にならず、嫌な刺激をとりのぞいてあげるという対応が、お父さん、お母さんに求められることなのです。
実践例:子どもと一緒に絵本を読むとき
子どもがまぶしそうな様子を見せたら、照明が絵本に直接あたらないように移動してください。その子は、光の反射を刺激として痛いと感じているかもしれません。光を避けることで、絵本に集中できるようになります。
また、ほかの家族の動きや、外の様子が気になって集中できない場合もあります。その際は、壁のほうを向くようにしたり、カーテンを閉めて外の様子が見えないようにしてください。そうすることで、気が逸れることが少なくなり、絵本に集中できるようになります。
このように、発達障害の子どもが集中できないときは「まぶしい」「暑い」「うるさい」など、なんらかの刺激を強く感じとっているために、その刺激から意識を逸らせない可能性があります。
ストレスの少ない環境が自己肯定感を高める
ストレスがより少ない環境で、子どもが「わかった」「自分はできる」と感じられるようにしていけば、その後は、自分ができるようになるための練習を率先してやるようになります。
ストレスを感じさせつつ、強制的に練習させるのは、逆効果でしかないのです。