気になる子の保育
保育者が「知識」と「技術」をもつことが大切

「気になる子」って?

「気になる子」とは、発達に偏りがあり、保育園の生活の中で特性に応じた支援が必要な子どものことです。発達に偏りがあったとしても、周囲が適切な支援を行うことで、「気になる子」たちは生きる力を十分に伸ばしていくことができます。

前回の記事「【気になる子の保育】気になる子ってどんな子?」

保育者が「知識」と「技術」をもつことが大切

気になる子どもが自分の力を発揮し、その子らしく生きていくためには、子どもが「やればできる」と思える自己肯定感をもつことが大切です。

子どもが成功体験を積み重ね、自己肯定感を育んでいくためには、保育者の「その子の特性に合った対応」が必要です。

その子の特性に合った対応」を実践するために、保育者には何が必要なのでしょうか?

それは、なぜその子が問題となるような行動をとっているのか? その時に、どのように対応すればよいのか?といった、具体的な「知識」と「技術」です。

例えば、絵本の読み聞かせをしているとき…

 

・絵本の内容が理解できず、飽きてしまう子ども

・廊下を通る人に注意が向いてしまい、話を聞けなくなってしまうこども

・自分で空想の世界を絵本の外にどんどん広げてしまい、気が付くとストーリーがよくわからなくなってしまう子ども

 

こういった子どもたちの行動の問題の原因がどこにあるのかをとらえ、それに合った対応を行うことが何よりも大切です。

次回から、具体的な子どもの問題と、それに対する具体的な対応の実践例を示していきます。
気になる子どもが十分に力を伸ばしていけるように、ぜひ一緒に考えてみてください。

次の記事「【気になる子の保育】Point1. 話を聞くのが苦手な子への指示は「はっきり」「短く」「具体的に」!」

記事の監修

 

徳田克己先生プロフィール

 

徳田克己先生

子ども支援研究所所長。教育博士、臨床心理士、専門は子ども支援。全国の幼稚園、保育所などを巡回して、保育者や保護者を対象とした気になる子どもの相談活動を行っている。「気になる子どもの保育ガイドブック」「育児の教科書クレヨンしんちゃん」(福村出版)、「親を惑わす専門家の言葉」(中央公論新社)など、著書多数。