発達障害、気になる子どものトイレが苦手な時の対処法

発達障害、気になる子どものトイレが苦手な時の対処法

発達障害の子どもの中には、トイレを苦手としている子どもがいます。苦手なためにトイレを失敗してしまうこともしばしばです。この「トイレが苦手!」という子どもは、何が原因になっているのでしょうか?

苦手になっている理由はなに? トイレが苦手な原因を観察することが大事!

「トイレが苦手」を克服するためには、まずは苦手になっている原因を探すことから始まります。トイレに行くお子さんの様子をよく観察して、何が原因になっているかを探してみましょう。

原因がわかったら、その原因を取り除いたり、サポートする段階にうつります。最初はトイレに一緒について行きましょう。初めに「トイレに行く」ということができたら、そこでほめます。次はトイレに一緒に入って、「用を足す」ということができたら、またほめます。ステップを小さく区切って少しずつほめながら、トイレに慣れさせてください。

ケース1:トイレという場所そのものが苦手

子どもの中には、トイレという場所そのものを苦手としている子がいます。お子さんがトイレという空間を嫌がっている場合、何が嫌がっている対象なのかを、観察して把握しましょう。お子さんがトイレを苦手としている原因は、トイレの個室の暗さだったり、トイレのにおいや消臭剤の独特な香りだったり、便座のひんやりした感触だったりするかもしれません。苦手としているものは子どもによってさまざまです。

この場合は、電球を明るいものに入れ替える、消臭剤を無臭のものに変えるなどして、苦手の原因となっているものを空間から取り除いてあげましょう。

ケース2:トイレで用を足す手順が覚えられない

「トイレに行って用を足す」とひとことで表される動作は、実はたくさんの動作が組み合わさっています。発達障害のある子どもは、この動作の順番がわからなくなるために、トイレを苦手としている場合があります。

この場合は、トイレで用を足す手順を視覚的に示して、理解を促しましょう。

「パンツをおろす」→「便座に座る」→「紙でふく」→「流す」→「パンツを上げる」というように、順序をイラストにした絵カードをつくると、子どもはそれを手掛かりにして、スムーズに用を足せます。

初めは子どもが排泄するとき一緒について行って、トイレの手順を示した絵カードを指で示しながら「●●ちゃんはパンツを脱ぎます」と声をかけ、ひとつひとつの動作を進めていきます。

慣れたらトイレで用を足すときに見えるところに絵カードを貼り、お子さんがいつでも手順を確認できるようにしましょう。

ケース3:手先が器用でない

トイレットペーパーを適度に巻き取れなかったり、ズボンのファスナーなどの扱いに戸惑ったりして、うまく排泄ができないケースがあります。

このような場合は、親があらかじめトイレットペーパーを1回分ずつ巻きとって置いておきます。ズボンやスカートも、自分でずりおろせるゴムタイプのものをはかせます。お子さんが排泄できたら、その都度ほめることを忘れないでください。

失敗してしまった時の対処法

途中で排泄がうまくいかず、失敗することもあります。そのときに強く叱ってしまうと、「トイレ=嫌なもの」と思ってしまったり、苦手意識が根づいてしまいます。

まずは、「●●ちゃん、新しいパンツに着がえます」と示して、次にどうすればいいのかを伝えることが大切です。

また、男の子が用を足す際に、立つ場所が離れていたりすると、便座まわりを汚してしまうことがあります。この場合は、立つところにシールを貼ったり、足型に切った紙を所定の位置に貼ったりして、視覚的に立つべき位置を分かりやすくしてあげてください。

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