感覚が敏感/鈍感なお子さんを支援するコツ

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自閉症やアスペルガー障害の傾向がある子どもは、ある特定の音やにおいをひどく嫌がる一方で、多くの人が苦手とする音やにおいには平気な場合があります。

ドライヤーや掃除機の音を聞くと泣き叫ぶ子どもが、ガラスや黒板をひっかく音は平気な場合があります。

障害のない子どもにとっては平気なことが、自閉症やアスペルガー障害の子どもにはとても不快な刺激になる場合があり、逆に一般的には敬遠される刺激が、不快にならないことがあるのです。

これは、自閉的な傾向のある子どもの聴覚、触覚、味覚、嗅覚、視覚による感じ方が、ほかの子どもとは異なり、感覚が過敏すぎたり、鈍感すぎたりすることによります。

発達障害のない大人が「このぐらいはがまんできるだろう」と思っても、子どもにとっては耐えられないことがある、ということを認識してください。

このような特性に対応するために、生活に支障のない範囲で、できるかぎり子どもにとって不快となる刺激を取り除いてあげてください。

お子さんにとって不快な刺激を取り除く方法

外の音(騒音や工事の音など)を子どもが嫌がれば、窓を閉めるなどして、聞こえないようにしてください。ときには耳栓を使うなどの配慮も必要です。

どうしてもその刺激を取り除けないこともあります。

たとえば公衆トイレでよく使われている、エアドライヤーの音を苦手とする子どもがいます。電車の音が苦手な子どもや、車の走る音が苦手な子どももいます。こういった音を一切聞かずに生活することは無理です。避けることができない場合は、少しずつ慣れさせます。

エアドライヤーの場合ならば、その音が小さく聞こえるような距離で、まずは数秒間がまんさせます。少しでもがまんできたら、ほめてあげてください。

だんだんと、その距離を短くしていきます。あせらず、数十センチ単位で近づいていきます。急に距離を縮めようとすると、子どもは恐怖を感じて、不快感を強めてしまいます。少しできたらほめる、これが大事です。

子どもの苦手な刺激が予測されるときは、「今から車の音が聞こえるところを通るよ」と予告すると、子どもは心の準備ができるので、刺激をがまんしやすくなります。

⇒次を読む 考える前に行動してしまうお子さんを支援するコツ