(公開)
第2回からの続き
「育児休暇は“休暇”じゃなく、新しい家族を迎え、
うまく回るようになるための訓練期間です」
男性の育児休暇取得が進まない日本で、6年前、男性タレントとしては珍しい2カ月間の育児休業を取得。昨年(2016年)5人目のお子さんが誕生した際も、再び育児休暇を取得し話題になりました。家事と育児、どんな毎日を送っていたのでしょう?
「育児休暇といっても休んでいる暇はありません。僕は家庭の訓練期間だと思っていました。仕事を休ませてもらっている以上、その分ちゃんと覚悟を持ってやらないといけない。
ただの思い出作りで終わらないように“育児休暇ノート”を作って取り組みました。思ったことや自分の中でのルールを書き記すのですが、まず『奥さんを絶対水場に立たせない』と目標を定めて。
毎朝5時半に起きてお弁当を作って、朝食を作って、子どもたちを学校へ送り出したら、ゴミ出し、洗濯、部屋の掃除……。今では、娘の編み込みの三つ編みもできるようになりました」
育休の一番の収穫は「奥さんの気持ちが分かるようになったこと」と話すつるのさん。家事も育児もすべて引き受けたとき、初めて世のママたちの気持ちが分かったそうです。
「うちに限らず、奥さんがイラッとしている瞬間を見ても、僕ら男性はなんで怒っているのか理解できないんですよ。いっぱいいっぱいになっている感じとか、僕もまったく分からなかった。でも育休を取って初めて『なるほど、こういうことか』って理解できたんです。
外での仕事は達成感を得ることはできるけれど、育児と家事には終わりがなくって、毎日同じことの繰り返し。いつも時間に追われて、消化不良のまま次のことに移らなきゃいけない。あっという間に夜になって、誰にも会わずに1日が終わるなんてこともしょっちゅう。だからときに『早くお弁当箱を出しなさい』とかいろいろ細かいことも言いたくなるんです。
あとね、おいしいランチを食べに行きたくなる気持ちとか、SNSにお弁当の写真をアップする気持ちも分かりましたよ。いつも家族のためにご飯を作っているからたまには人の料理が食べたくなるし、誰もほめてくれないから“いいね”が欲しくなるんです。僕も気が付けばSNSに上げてましたから(笑)。
日頃、奥さんがどれだけ辛い思いをしてがんばっているのか分かるだけで、心の荷を軽くしてあげられると思うんです。家庭に理解者がひとりいるだけで、ずいぶん変わるはずですから、育休を取るパパがもっと増えるといいですよね」
つるの剛士さんキッズハグスペシャルインタビュー(全4回)
・第1回「好きな仕事をさせてもらって、愛する妻、愛する子どもたちに恵まれて、 僕は最高に幸せ」
・第2回「育児書を読むよりも、育ててくれた両親が僕にとっての子育てのマニュアル」
・第3回「育児休暇は“休暇”じゃなく、新しい家族を迎え、うまく回るようになるための訓練期間」
・第4回「子育てって一瞬で過ぎてしまうもの。肩の力を抜いて、一瞬で過ぎてしまうこの時を大切にしていきたい」
キッズハグスペシャルインタビュー
・第2弾 東尾理子さん「子どもを授かれて無事に出産できたことに、今も感謝の気持ちでいっぱいです」