子ども同士の付き合いに関わる難しさ
子ども同士の付き合いに、どれくらい親が介入していいのでしょうか?親がどう対応すべきか、わかりません。
ちょっといじわるしたり、言葉が悪かったり、あんまり子どもと遊ばせたくない子がいます。子どもが、その子をマネしないか心配。子ども同士の付き合いに、どれくらい親が介入していいのでしょうか?親がどう対応すべきか、わかりません。
お父さん、お母さんはいつまで子どもを守ってあげられるのでしょうか。
子育ての一つの目標は「子どもを守ること」ではなく「子どもが自分で生きていく力をつけさせること」です。
たしかに乱暴な言葉をつかったり、危険な行動をしたりする子どもが我が子のまわりにいると心配ですよね。
でも、その子どもを非難したり、一緒に遊んだりすることを禁止するのではなく、我が子に「善悪の物差し」を作ってやる絶好のチャンスだと考えてください。
子どもはマネをして育っていく
言葉も、あいさつの仕方も、生活の上のルールも、子どもはまわりの大人やお友だちのマネをしながら覚えていきます。
トイレの後で手を洗わないお父さんの子どもは、はやり手を洗いません。
それは子どもの身近にいるモデルが手を洗わないからです。
「子どもは親の鏡」と言いますが、小さな子どもは親をモデルにして育っていきます。
幼稚園や保育園のクラスの子ども、いつも一緒に遊んでいる仲良しの子どももモデルになります。
好ましくない言葉や乱暴な行為などもマネしてしまいます。
このことに頭を痛めるお父さんお母さんは多いのです。では、どうすればいいのでしょうか。
よその子どもの非難は禁物
「Aくんは乱暴な言葉を使うから絶対にマネしちゃだめよ」「Bちゃんは順番を守らない子だから一緒に遊ばないでね」などと、よその子どもをストレートに非難して、マネするな、一緒に遊ぶなと我が子に言ってしまうお母さんがいます。
お母さんの気持ちはよくわかります。
子どもはすぐにマネをしてしまいますから。
でも、幼児期の子どもにとって、善悪の基準はお父さんお母さんの言葉なんです。
お母さんが「A君は悪い子よ」というと、子どももそういう目でA君のことを見るようになります。
そして、ずっと善悪の判断を母親にしてもらおうとする、とても依存的な人間になっていきます。
子どもだって、お友だちは自分で選びたいのです。
自分でお友だちを選ぶようになることが「成長」なのです。
大切なのは我が家の「おきて」
子どもがA君のマネをしたら、「うちではそんな言葉を使うのを許しません。だって、パパもママもそんな言葉は好きじゃないから」ときっぱりと言います。
何度も何度も言うのではなく、きっぱりと1~2度言うのです。
「それは我が家のルールです」ときっぱりと伝えてください。
もし子どもが続けてその言葉を使っていても叱りません。無視してください。
無視とは反応しないことです。
子どもはその言葉を使ってはいけないことを知っていながら、お父さんお母さんを試すように使っているのです。
これをお試し行動と言います。お試し行動をなくす唯一の方法はスルーすることなんです。
よその子どもを非難することなく、我が家のルールを明確に伝えて、そのルールを守っていればほめてあげ、もしお試し行動を出しているようであれば叱らずスルーして、親を試したって楽しいこと(親の反応)は何もないと言うことを子どもに伝えるのです。
多くのお父さんお母さんはスルーすることができず、つい叱ってしまいます。
これではなかなか子どもは変わりません。
なぜなら、子どもは叱られることよりもスルーされることの方が「心に響く」からです。