子どもへの接し方(3歳・男児編)

私の子(男)はこの夏で3歳になりました。一人っ子です。
本日、運動会がありました。
しかし、去年に引き続き、終始泣きっぱなしです。
同じクラスの他のお子さんは、去年泣いていても、今年は泣いている子はいませんでした。
ほかのお母さんからも、「泣いているね」「感受性が強いんだね」「甘えたいんだろうね、でも、大人になって急に冷たい子になったらどうする?」なんて言葉もありました。
私にとって、正常な発達段階であるのか分からず、不安です。
以前、誕生日前に風邪をひき、3か月間、朝の登園の時に抱っこから降りず、毎日泣いている状態が続きました。
それまでは、すんなり、保育園に行っていました。
甘えたい時期ですか?甘えたい時期は、突き放さず、優しい言葉と抱きしめてあげたらいいですか?

まず、このようなお子さんの状態は、パパやママがたっぷりの愛情を注いで育てている証であると考えてください。

危ない子どもまわりの大人たちに守られて育っているので、いつもと違う状況を怖いと感じ、でもすぐそばにパパやママがいないので不安になって泣いてしまうのです。
多くの子どもは、3歳頃までは、遠足や運動会、発表会などの日常の中の大きな変化に不安なく対応することが苦手です。

おうちがお店屋さんであったり、大家族であったり、と、日常の変化が大きい環境で育っている子どもはある程度慣れていますから、運動会などで泣かないのです。

あまり変化のない一般の家庭の子どもは泣く場合があります。

1年前に1回経験していても、それを覚えているわけではありません。

このような状態は、発達の異常とは関係ありません。

しかし3歳を過ぎると、いろいろなストレス場面に「慣れていく」ことが必要です。

子どもは3歳から4歳にかけて、子どもの中の世界が大きく広がっていきます。

興味や関心も広がります。世界が広がれば、不安よりも面白さや楽しさを感じるようになっていきます。だんだんと泣くこともなくなっていきます。

ご質問にあった「感受性」や「甘えたい」というのは、あまり関係ないと思います。

繰り返しになりますが、大切なのは「慣れ」、つまり経験です。

ぜひ、お子さんと一緒にいろんなところに足を運んで、お子さんの世界を広げてあげてください。

回答者 徳田克己先生

筑波大学医学医療系教授。教育博士、臨床心理士、専門は子ども支援。全国の幼稚園、保育所などを巡回して、保育者や保護者を対象とした気になる子どもの相談活動を行っている。「気になる子どもの保育ガイドブック」「育児の教科書クレヨンしんちゃん」(福村出版)、「親を惑わす専門家の言葉」(中央公論新社)など、著書多数。