「一人っ子」について徳田先生に聞きました!

3歳になる子どもがいます。
「子どもは一人だけ」と夫と相談して決めました。
でも周囲から「一人っ子はわがままになるから、もう一人産んだら?」とよく言われます。
帰省のたび、両親にも言われると、つらいです。
育て方次第だと思うのですが、どうなのでしょうか?

「一人っ子ハラスメントという言葉がある!?」

一人っ子

これは古くから実によく言われてきたことで、私はこれを「一人っ子ハラスメント」と名付けています。「一人っ子がわがままになる」という科学的なデータはありません。

ただ、ほとんどのお母さんがこの風説を耳にしたことがあり、「自分の子もわがままになるのでは」「もう一人産むべきだろうか」と悩み、不安に思っているという調査結果があります。

一人っ子であるというだけで、お子さん自身も周囲から「わがままなんだから」と言われてしまうこともあり、これはハラスメント以外の何物でもありません。

「一人っ子」であることに心配する必要はありません!

一人っ子は「大人の中に子どもが一人」という環境で育ちます。

きょうだいがいると、競争したり、時には順番をゆずったりという経験を家庭内でしながら育っていきます。

一人っ子はそういう経験のないまま、幼稚園、保育園に入ります。集団のルールを理解するまでに、時間がかかるのは当然です。

しかしやがて、集団生活の経験を積むうち、他の子と変わらなくなっていきますから心配しないでください。

実は私も、一人っ子なんですよ。

回答者 徳田克己先生

筑波大学医学医療系教授。教育博士、臨床心理士、専門は子ども支援。全国の幼稚園、保育所などを巡回して、保育者や保護者を対象とした気になる子どもの相談活動を行っている。「気になる子どもの保育ガイドブック」「育児の教科書クレヨンしんちゃん」(福村出版)、「親を惑わす専門家の言葉」(中央公論新社)など、著書多数。