お子さんが動物と上手にふれあうために
動物を大切に出来ない時の対処法
発達障害のある子どもの中には、ペットなどの動物に対して、その一部分にしか関心を示さない子どもがいます。
そのような子どもは、動物の目や耳、鼻など特定の部分や、毛の模様にだけ強い興味や関心を示します。
このような場合には、小さなシールを実際の動物の耳や頭、しっぽなどに貼り、子どもに注意を向けさせる範囲を広げます。
親が動物にシールを貼るところを子どもに見せて、子どもにもシールを貼らせてください。手を使う動作を加えることで、子どもが関心を持てる範囲が広がっていきます。
手先がうまく使えないお子さんへの対処法
発達障害のある子どもの中には、手先がうまく使えない子どもがいます。
そのような子どもは、動物を強くつかんだり、うまく抱けずに落としてしまうことがあります。
このような子どもには、手のひらに入るサイズのボールを握らせ、その状態で動物にふれさせるようにします。
なぜこうするかといえば、指の動きが関係します。親指と人さし指は、物をつまんだり、動かしたりする指です。小指と薬指は、物を握ったり、支えたりする指です。中指は、両方の動作を助ける指です。
小指と薬指と手のひらでボールを握っている場合は、つかむ動作はできません。そのため、動物をなでたり、毛をつまんだりできるのです。
親指と人さし指でボールを握っている場合は、小指と薬指で手のひらを使って、動物をうまく抱くことができます。
このように、子どもが指先の動きや力加減を調整できるように、工夫してください。
自分以外の人や動物について想像するのが苦手なお子さんへの対処法
発達障害のある子どもは、自分以外の人や動物が、どう感じているのか想像するのが苦手な子どもがいます。そのため、動物が嫌がっていることに気づかず、動物を強くつかんだり、蹴ったり、またがったりという危険な行動をすることがあります。
動物が嫌がる行動をしたときは、その場で何をしてはいけないのか、具体的に示します。ウサギの耳をつかんだとしたら、「耳はつかみません」と示してください。そして、「優しくなでます」などのように、どうしたら動物が喜ぶのかも示してください。
衝動的に動物を嫌がるお子さんへの対処法
衝動的に動物が嫌がるような行動をしてしまう子どもがいます。その場合は、動物とふれる前に、「つかまない・蹴らない・たたかない」など、動物と遊ぶ上での約束を決めておきます。絵カードを使って理解させるのも効果的です。
少しの時間でも子どもがルールを守れたら、必ずほめてください。