発達障害のお子さんが自分勝手に話し出す時の対処法
相手の気持ちや表情を読み取るのが苦手なお子さんへの対処法
自分の話を一方的にしてしまう子どもがいます。話し相手が飽きていても、おかまいなしに話をしつづけた結果、相手に嫌がられたり呆れられたりすることもあります。
このような子どもは、「相手が嫌がっている」という自覚がなく、相手の気持ちや表情を読み取ることが苦手です。相手と遊びたい、話をしたいという思いがあっても、どのように話をすればよいのかわからないのです。
一方的な話でも、家族だと耳を傾けてくれますが、同年齢の子どもたちには、なかなか受け入れてもらえません。次第に遊びに入れてもらえなくなる、ということも起こり得ます。
このような場合は、相手にどのように声をかけて遊べばよいのかを、親が子どもの前でモデルとなって示してください。その姿を見ることで、子どもはまねしながら、相手と関わる方法を具体的に学びます。
例えば、友だちが積み木遊びをしていたら、「一緒に積み木をしよう、って言ってごらん」と示します。何か友だちがしてくれたら、「●●ちゃん、ありがとう、って言おうね」と促してください。
衝動的に話してしまうお子さんへの対処法
時と場所に関係なく、衝動的に話してしまう子どもがいます。何かが思い浮かぶと、話さずにはいられないのです。
このような子どもには、話してもよい/話してはいけない時間と場所をはっきりと決めてください。「病院の待合室で待っているとき」「電車やバスに乗っているとき」などと、あらかじめ決めておきます。
そして、その場所に行く前に「ここでお話してはいけないんだよね」とルールを確認してください。
家庭内でも、「お父さんが話をしているときは話さない」などのルールをつくります。子どもが勝手に話し始めたら、「今はお父さんが話しているから、聞きます」と促してください。
子どもが少しの間でも聞いていられたら、ほめてください。子どもが話し出そうとしたときには「お話をしないでいるって約束を守れてえらいね」とほめるのも効果的です。
お子さんが興奮して、自分をコントロールできなくなったときには…
こういったトレーニングを重ねて、普段は静かにできるようになってきても、興奮すると状況を判断できなくなってしまい、一方的に話し始めてしまう場合もあります。こういった場合は、むやみに叱らずに、静かにするサインを、絵カードなどを使って示してください。口に指をあてて「シーッ」という顔を描いたカードを作るのも効果的です。お子さんがそのサインに気づき、静かにできたら、ほめてください。
それでも止まらないときは、時間を区切って
それでも話しだしたら止まらない子どもがいます。この場合は思い切って、「3分間はお話を聞きます」などのように時間を区切って、その間は自由にしゃべらせます。このとき、砂時計やタイマーなどを使って、タイムリミットを視覚的に示すのが効果的です。スマホのアプリにも使えるものがあります。これを繰り返すことで、約束の時間になったら話を切り上げるということを、子どもは学んでいきます。