発達障害、気になる子どもの偏食が激しい時の対処法
発達障害の子どもの中には、感覚がとても敏感なために、偏食傾向のある子どもがいます。味覚や嗅覚や触覚が敏感すぎて、特定の食べものの味やにおい・舌ざわりを不快に感じてしまい、食べられなくなってしまうのです。
偏食の理由はさまざま。偏食を改善するには、まずはお子さんの食事を観察してみよう
お子さんの偏食を改善するために、まずはお子さんが何を嫌っているのか、その食事のようすを観察してみましょう。
感覚が敏感な子どもの場合、ほんのちょっとした辛さでも痛いと感じることがありますし、とろみのついているものを気持ち悪いと感じることもあります。
においや食感とは関係なく、食べものの色や見た目やこだわりから、偏食になることもあります。丸い食べものが苦手だったり、赤い色の食べものが苦手だったりと、そのこだわりは子どもによってそれぞれです。
また、食べ物そのものではなく、金属のスプーンが唇にふれる冷たい感覚を嫌がるなど、食器が皮膚にふれる感触を嫌っていることもあります。
それら偏食の原因になっている感覚の敏感さ、こだわりなどは、観察して初めて分かるものです。どんなこだわりがあるのか、お子さんをよく観察して調べてください。
偏食の原因が分かったら、次はその対処法を考えてみよう
偏食の原因に検討がついたら、次はそれらを解決する対処法を考えてみましょう。その原因を取り除くことで、子どもの偏食は改善されていきます。
上のケースように、特定の食感や味・見た目が苦手なようなら、細かく刻んだり、料理法を変えると食べられるようになることがあります。金属の食器を嫌がっている場合は、木製の食器に変えてみると、食事の手が進むようになるかもしれません。
子どもの偏食を強めてしまうかも……無理やり食べさせるのは厳禁!
発達障害の子どもは、嫌な出来事が強く印象に残ることがあります。「ちょっとでいいから食べてごらん」と言われて、無理やり口に入れられたことが強く記憶に残って、その食べものをずっと食べられなくなってしまう子どももいます。中には、何十年たってもそのときのことが思い出され、パニック状態になる人もいるほどです。
このように、つらい経験が偏食の原因となっている場合は、無理に食べさせず、食べなくてもよいことにしてください。
偏食克服への挑戦は、まずは「お米ひと粒程度」から
もしも、お子さんが今まで偏食によって避けていた食べものに対して興味をもつことがあれば、ほんの少し食べるところから始めてください。少しだけでも食べることができたら、ほめてあげます。この場合の「ほんの少し」とは、お米ひと粒程度の量を意味します。発達障害により偏食傾向のある子どもたちにとって、スプーン1杯の量などは多すぎます。
苦手なものにも少しずつ挑戦し、食べる機会を増やしていくと、小学校高学年ぐらいには偏食が治り、大体のものを食べられるようになる場合が多くあります。