子どもの発達障害を兄弟姉妹にどう伝えるべきか
発達障害のある子どもにどう対応したらよいか分からないのは、親ばかりではありません。子どものきょうだい(兄弟、姉妹)もまた、目に見える障害ではないためにどう対応してよいかわからず、ストレスを感じてしまう場合があります。
「どうして●●ちゃんだけ~をしても許されるの?」きょうだい間の不公平感を和らげるには
「わたしは~をすると怒られるのに、どうして●●ちゃんだけ~をしても許されるの?」
親は、発達障害のある子どものきょうだいからこのように聞かれることがあります。「障害があるから、しかたないんだよ」という回答では、納得しません。きょうだいの思いを受け止めつつ、具体的に障害の特徴と、対応について話してください。
例えば、
「どうして●●ちゃんだけ遅くまで寝ずに遊んでいてもいいの? 早く寝なさいって言われたから、僕はがまんして遊ぶのをやめて、寝る準備をしてるのに」
と尋ねられたら、
「がまんできてえらいね。●●ちゃんは、遊びをいつやめて、いつ寝るべきか、まだわからないんだよ。だから、遊ぶのは3分間と決めて、このタイマーが鳴ったらおしまいって決めているの。“あそびはおしまい”ってできるように、今、練習しているんだよ」
このような感じで、きょうだいがきちんと言うことを守れていることを褒めつつ、発達障害の子どもが今できないこと、ルールを身につけようとしている最中だということを伝えてください。
発達障害の子どもときょうだいを遊ばせる時の手助け
また、発達障害の傾向がある子どもは、順番を守ることが理解できなかったり、一つのことしか目に入らず他の子を押しのけてしまったりと、遊びのためのルールを守れない場合があります。そのため、きょうだいがその子と遊ぶのをいやがることがあります。
ルールを守らないことを親がまったく注意しなければ、それを見て育つきょうだいは不満を感じます。このような場合には、できるかぎり親も一緒に遊び、発達障害の子どもがあそびのルールや順番を守れるように手助けしてください。
たとえばトランプをするなら、発達障害のある子どもに「●●ちゃんは、お兄ちゃんの次です」と声をかけて、順番を伝えます。きょうだいもその様子をみて、「こうすれば、●●ちゃんとも遊べるんだ」と学んでいくことができます。