夫婦でお子さんの発達障害をどう受け止めるべきか

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 多くの場合、先に夫婦のどちらかが子どもの状態に気づき、子どもの障害と向き合う準備を進めます。

 しかし、夫婦で同時に子どもの障害に気づき、受け止め、向き合っていく準備をするケースはまれです。子どもと関わりあう時間の長い母親の方が先に子どもの状態に先に気がつく場合が大半であり、夫婦間で認識のギャップが生じてしまうことが多いのです。


■例:母親が先に子どもの状態に気付いた場合
 母親は子どもの障害に気づき、医療機関の受診を考えている。父親は子どもに障害があると気づいていないか、その事実を認めていないので受診を反対している。


 このような夫婦がいたとします。この場合は、母親が父親に相談しても、まともに受け取ろうとしなかったり、反論したり、「しつけが悪いんじゃないか」と母親を責めるといったことが起こります。

 先に子どもの状態に気づき、障害があるという事実に向き合おうとする人は、配偶者の心の準備ができるまでのあいだ、一人で悩み続けることになります。配偶者が医療機関の受診に反対している場合は、先に進みたくても進めないつらい状況に置かれることになります。

 子ども状態を受容できるように配偶者に働きかけることが大切です。園での子どもの姿を見てもらったり、保育者から子どもの様子を伝えてもらったりして、相手に「うちの子は少しほかの子どもと違うのかな」と感じられるよう、促していきます。

それでも配偶者が現実を直視しない場合は、

「念のため、専門機関に行って相談してみたい」

「専門機関で相談すれば、自分も安心できる」

 このような言い方で、提案してみてください。「念のため」「安心できるから」という点を強調することで、相手も同意しやすくなります。

 先に気づいたほうが、もう一方の「認めたくない」という気持ちを責めても、何の解決にもなりません。

心の準備をするのにはある程度の時間がかかります。その準備ができるまでは、配偶者に協力を求めないことも大事です。それが、配偶者との無用な言い合いを防ぐことになります。

⇒次を読む 公的機関の乳幼児健診での相談