気になる発達障害「自閉症」
「自閉症」の特徴って?
人とコミュニケーションをとるためには、言語能力や人の気持ちを察する力が必要です。しかし、自閉症の子どもは、まさにこれらのコミュニケーションをとるために必要なことが苦手です。
自閉症の子どもの特徴として、以下のことが挙げられます。
1:ことばの発達が遅れている
自閉症の子どものなかには、3歳を過ぎても自分から意味のあることば(ワンワン、ママなど)を話さない子どもがいます。
テレビコマーシャルのフレーズなどの真似はできても、母親に「ママ」と呼びかけることをしないというようなことがあります。また、大人が言ったことばをそのまま繰り返す、いわゆる「オウム返し」をする子どもがいます。
2:人とかかわることが苦手である
自閉症の子どもには、周囲の子どもと遊ばない、自分から関わろうとしない、まわりのことに関心を向けず、一人で遊ぶなどの様子が見られます。また、なかなか視線が合わないという特徴もあります。
3:こだわりが強い、パニックを起こす
自閉症の子どもたちは「いつも同じ状態であること」に安心感を覚えます。そのために、様々な物事にこだわりを持ちます。
たとえば、ある特定の色に執着する子どもは、その色の積み木ばかりを集めて遊びます。予定通りに物事が進むことに執着する子どもは、夕食の時間は午後6時と決めて、その時間に食べられないと、泣いたり怒ったりします。
また、自閉症の子どもは「次に何をするのかわからない」「見通しが立たない」「予想と違うことが起きる」ことがとても苦手で、不安になってしまいます。お母さんの帰りが遅くなったり、いつもと違う道を通ったりと、日常にありふれた些細な状況の変化でも、パニックを起こしてしまう子どもがいます。
パニックとは、激しく泣いたり、暴れたりする行動のことをさします。自閉症の子どもは、自分のこだわりに合わない状況におちいって不安が高まると、どうしたらよいかわからず、結果としてパニックになってしまうのです。
4:常同行動がある
「その場でくるくる回る」「手をひらひらと目の前で動かす」などの常同行動(自己刺激行動ともいいます)をする子どもがいます。常同行動は、不安なとき、次に何をするかわからず手持ちぶさたなときなどに、よく起こります。
5:感覚異常がある
自閉症の子どもの感覚は、ほかの子どもたちと大きく異なります。視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚といった感覚のどれかが敏感だったり、逆に鈍感だったりします。
例を挙げると、聴覚が敏感なためにお店のBGMなどを不快に感じ、店内に入ると耳をふさいで店から出ようとする子どもがいます。ほかにも、触覚が敏感で手をつなぐことを嫌がったり、味覚が敏感で偏食が強い子がいたりします。