動作の方法、順番を理解できない子どもを支援するコツ
手洗い、歯みがき、着替え、持ち物の用意などなど、日々何気なくこなしている立ち振る舞い。大人が無意識にクリアしている日常の動作でも、発達障害の子どもの場合、その動作の順番や方法を覚えるのが苦手なことが多くあります。
では、なぜこういった生活の中の挙動を覚えるのに時間がかかったり、うまくできなかったりするのでしょうか?
動作の方法、順番を理解するのが苦手な理由
第1の理由「説明そのものを理解するのに時間がかかる」
発達障害のある子どもは、ことばによる説明を理解することが苦手です。
トイレ、手洗い、歯みがきなどの日常的な行動を知ってはいても、指示されたときに、何をすればいいのかわからないことが多いのです。
第2の理由「動作をしている途中で次にやることを忘れてしまう」
動作の途中でつまずいてしまう場合もあります。毎日のように行っていることでも、「次に何をすればいいんだっけ……?」と、突然手順がわからなくなってしまうのです。
動作の方法、順番を理解できない子どもを支援する2つのコツ
こうした子どもをサポートするのに、効果的な方法が2つあります。
コツその1「具体的な絵・実物を見せながら説明する」
ことばを通じてイメージをつかみにくい子どものためには、絵や、実際の物を見せながら指示を出すのが効果的です。例えば歯みがきをさせたいのであれば、歯ブラシや歯みがきをしているイラストを見せながら「歯みがきしよう」というと、子どもに伝わりやすくなります。
コツその2「動作を細かいステップに分ける」
一つの行動をよく観察したとき、実は数多くのステップを踏んでいることがわかります。
行動をいくつかのステップに分けて考え、その子が一連の挙動の中のどこでつまづいているのか観察し、1つの動作を終えたら次に何をすればいいか指示するようにしてみると、途中で手が止まっている子どもをスムーズにサポートできます。
歯みがきの例であれば、
「歯ブラシを持って」→「歯みがき粉をつけて」→「歯をみがいて」→「口をゆすいで」
……という風に、それぞれのステップをクリアするごとに指示を出してあげましょう。