うちの子もしかして「育てにくい」?
「気になる子」ってどんな子?
「うちの子は、よその子と比べて、ちょっと変わっているんです」
「ほかのきょうだいと性格が違うので、とまどっています」
「すごく育てにくい子で、毎日がクタクタです」
保護者を対象にした相談会では、このような訴えがよくあります。話を詳しく聞いてみると、その子たちには発達障害の傾向にあることが多いのです。
このような子どもに対して、親はとにかく叱ってしまいます。
「親のいうことをなぜきけないのか」
「言ったとおりにやりなさい」
「わざと知らないふりをしているんじゃないの」
発達障害のある子どもや、その傾向がある子どもを叱り続けても、状態がよくなることはありません。
私は、大人から叱られすぎて、性格がゆがんでしまったり、状態が悪化している子どもに会うことがよくあります。彼らがかわいそうでなりません。そういった子どもの性格のゆがみは、大人によってつくられた状態だからです。
「ちょっとうちの子、育てにくいなあ…」
そう思ったときが、子どもを伸ばすスタート地点なのです。
発達障害のある子どもや、その傾向がある子どもに対して、医療ができることはそれほど多くはありません。育児、保育、教育によって、そのときの問題行動をなくしたり、状態をよくしていくのです。