気になる子の保育
Point1. 話を聞くのが苦手な子への指示は「はっきり」「短く」「具体的に」!

「活動中にじっとしていられない」
「ぼーっとしていてなかなか行動に移せない子がいる」
「偏食が極端に強く、食事が思うように進まない」
どの保育の現場にも、保育所の生活のなかで支援を必要としている子どもがいます。
「気になる子」って?
「気になる子」とは、発達に偏りがあり、保育園の生活の中で特性に応じた支援が必要な子どものことです。発達に偏りがあったとしても、周囲が適切な支援を行うことで、「気になる子」たちは生きる力を十分に伸ばしていくことができます。
→前回の記事「【気になる子の保育】保育者が「知識」と「技術」をもつことが大切」
こんなときどうする?「話を聞くのが苦手な子」
気になる子ども中には、お話を聞いて理解することが苦手な子どもが多くいます。
例えば保育者から次のような指示を出されたとき、特にお話を聞くのが苦手な子は困ってしまうかもしれません。
「みんな、そこでちゃんと順番に並んで、並んだらせっけんで手をしっかり洗って、タオルできちんと拭くんだよ。タオルで手を拭いたら、テーブルについて座って…」
上の指示を読んでみると、きっと伝わりづらさがどこから生まれるのかが見えてくると思います。伝わりやすさのポイントは、「はっきり」「短く」「具体的に」です。この3つのポイントをひとつずつ見てみましょう。
「はっきり」
「はっきり」とは、何を指示しているのかが明確にわかることを示しています。
「短く」
「短く」とは、指示の一文を短くする、または全体を短くすることです。
気になる子どもは、一度に複数の指示を出されても覚えておくことができない場合があります。先ほどの例では、「並んで」「手を洗って」「拭いて」「座って」と、一度に伝える中にたくさんの指示が含まれていました。気になる子どもには、一つずつの指示を分解して、順を追って指示を出すようにしてみてください。
「具体的に」
「具体的に」とは、抽象的な指示をしないことです。
・「あれ」「それ」など、指示語を使わない→指示語が指し示すものが分からない場合があります。「〇〇ちゃんの後ろ」「あと一歩前へ」など、具体的な言葉に置き換えましょう。
・「ちゃんと」「きちんと」といった抽象的な言葉を使わない→例えば「タオルできちんと拭く」を具体的にしてみると、「手からお水のしずくが垂れなくなるまでタオルで拭こうね」などになります。
→次の記事「【気になる子の保育】Point2. 言葉で伝わりにくいときは、「視覚的な支援」を活用しよう!」
記事の監修