気になる子の保育
Point3. ルールを決めて守れたら、即「ほめる」!

「活動中にじっとしていられない」

「ぼーっとしていてなかなか行動に移せない子がいる」

「偏食が極端に強く、食事が思うように進まない」

どの保育の現場にも、保育所の生活のなかで支援を必要としている子どもがいます。

「気になる子」って?

「気になる子」とは、発達に偏りがあり、保育園の生活の中で特性に応じた支援が必要な子どものことです。発達に偏りがあったとしても、周囲が適切な支援を行うことで、「気になる子」たちは生きる力を十分に伸ばしていくことができます。

前回の記事「【気になる子の保育】Point2. 言葉で伝わりにくいときは、「視覚的な支援」を活用しよう!」

「ほめられた」「できた」という嬉しい気持ちがやる気を引き出す

子どもは「ほめられた」「できた」と感じたときに、「次もやってみよう」というやる気が生まれます。前向きなやる気を引き出すために、「ほめる」ということはとても重要です。

大切なのはタイミング!子どもが今まさにチャレンジしているときに「ほめる」

子どものやる気を引き出すためには、「ほめる」タイミングが重要です。子どもが頑張ったあとに時間をおいてほめても、あまり効果はありません。子どもが今まさに頑張ろうとしているとき、決められたルールを少しでも守れたまさにその瞬間に、即「ほめる」。頑張っているタイミング最中に即ほめることで、ほめる効果が最も大きくなり、子どものやる気が生まれます。

 

難しすぎるルールは逆効果になる可能性も?ルールのレベル設定も大事

ルールを決めるにあたって、レベル設定はとても大切です。ルールを設けてもその子にとって難しすぎれば、ルールを守るハードルが上がり、「ほめられた」「できた」体験につながりにくくなってしまいます。子どもの状況に合わせてルールのレベルを下げ、少しでも子どもがそのルールを守れた・守ろうとしたら、「ほめる」ようにしてみましょう。

例えば、すぐに立ち歩いてしまうことができない子どもに対しては、「座る」というルールを設けて5秒でも座っていられたらほめる。次は10秒座っていられるか挑戦してみる。だんだんと時間を延ばしていき、ルールを守ることができたら繰り返しほめましょう。

このようにすることによって、子どもはルールを認識できるようになります。さらにルールを守った結果「ほめられた」経験が、子どもが「できた!」と感じる成功体験になるのです。

記事の監修

 

徳田克己先生プロフィール

 

 

徳田克己先生

子ども支援研究所所長。教育博士、臨床心理士、専門は子ども支援。全国の幼稚園、保育所などを巡回して、保育者や保護者を対象とした気になる子どもの相談活動を行っている。「気になる子どもの保育ガイドブック」「育児の教科書クレヨンしんちゃん」(福村出版)、「親を惑わす専門家の言葉」(中央公論新社)など、著書多数。