子育て座談会レポート⑧「失敗ばかりのトイレトレーニング」
Aさん:幼稚園ではきちんとトイレに行ってほしいので、この夏でおむつを取りたいと思っています。
でも、トイレトレーニングがなかなか進みません。何回も失敗してしまっています。
Bさん:うちは、おまるを使っています。
Aさん:実はおまるに抵抗があって、使っていないんです。
でも「そろそろ出そうだな」と思ってトイレに連れて行っても、おしっこが出ないんです。
トイレトレーニング失敗の原因は、親にある?!
徳田:トイレトレーニングを失敗する原因のほとんどが、親が神経質になっていることにあります。
おもらししないか気にするあまり「トイレ大丈夫?」という問いかけが多くなっていませんか?
トイレを失敗するとお母さんががっかりする、ということを子どもは敏感に感じ取っています。
ですから、「失敗してもいいんだよ」とお母さんがどっしり構えることが必要です。そうしている家庭ではおむつがスムーズに取れる傾向にあります。
おまるを使うのもひとつの方法ですよ。
トイレの水が勢いよく流れるのが怖いという子もいますし、トイレは狭いから怖いという子もいますから。
トイレトレーニングを成功させるポイントは「スモールステップ」
Aさん:なるほど。トイレトレーニングがうまくいかないんですが、ポイントはありますか?
徳田:「もうそろそろ出そうだな」というときにトイレに連れて行くなり、おまるに座らせるなりして、ちょっとでもおしっこが出たら大げさに褒めてあげてください。
おしっこが出なくてもいいので、トイレやおまるに座れたら「上手だね」と褒めてあげるんです。
座れたら褒める、ちょっとでもおしっこが出たら褒めるということを繰り返すと、徐々に成功するようになっていきます。
これをスモールステップといいます。
Bさん:トイレを失敗したときに、どういうふうに声かけすればいいんでしょうか?
徳田:「惜しかったね。今度はトイレでできるといいね」「次は頑張ろうね」と励ましてあげてください。
おもらしをしたら床やパンツが汚れてしまいますが、「汚れてもいいや。失敗してもいいや」と思って、自宅では普通のパンツを履かせてあげてください。
そして時間帯を見計らってしっかりとトイレに連れて行ってあげたり、おまるに座らせてあげたりすることが成功のポイントです。
失敗の原因は、子どもの身体の構造にある
Aさん:トレーニングパンツでは駄目なんでしょうか?
徳田:トレーニングパンツは機能としてはとても優れています。
しかしお母さんのほうが「トレーニングパンツに中におしっこしてるから、まあいいや」と安心してしまうことがよくないですね。
Bさん:ママ、おしっこ出る」って言った瞬間に出てしまったり、パンツを履かせた瞬間に出ることがあるんですが、それはどうしてでしょうか?
Aさん:それ、何回もありました。
徳田:それは子どもの身体の構造的に仕方ない部分もありますね。
2歳児くらいだと膀胱の機能が発達していないので「トイレに行きたい」と思った瞬間におしっこが出ちゃうんです。
大きくなるに従って膀胱の機能も成長して、5秒、10秒と我慢ができるようになっていきます。
小学生くらいになると20分、30分と我慢できるようになります。
体の成長には個人差があるので、同い年の子ができるようになったからうちの子もできるだろう、という思い込みはしないようにしてください。
Aさん:逆に、おしっこしたばかりなのに「ママ、なんか出る」って言うのでトイレに連れて行くんですが、何も出ないことがあります。これはなんでしょうか?
徳田:それは残尿感があるからかもしれません。「出る」って子どもが言ったらトイレやおまるに座らせて、子どもが「もういい」って言ったらやめさせればいいですよ。
トイレトレーニングは焦らず見守ることが大切
徳田:おむつは、取れるときは一気に取れます。
だから安心して見守ってあげてください。「トイレを成功して、ママを喜ばせたい」と思ったら、子どもは急に成長します。身体機能に異常がない子は、4歳ぐらいになると排泄機能が自立します。
Aさん:幼稚園からの手紙に「夏休みの間におうちでたくさんトレーニングしてください」と書いてあったので、ちょっと焦っていました。
Bさん:「おむつが完全に取れないとプールには入れません」と言われるのもプレッシャーになりますよね。