この春から子どもが幼稚園に通い始めました。
若い先生が担任です。子どもはバスに乗るときにいつも泣いています。
この先どうなるのか心配でなりません。親としてどう考えればいいでしょうか?

「担任が若い先生なので不安だ」「幼稚園から帰ってくるとすごくワガママになっている」という相談は、春の入園時期を過ぎた頃によくあります。

026654数カ月前のことを思い出してみてください。愛する我が子のためにと、数ある園のなかから今の園を信頼して選んだのではありませんか。もっと園を、そして先生を信頼してください。担任の先生が若ければ、その先生を、保護者が育てる思いで応援してあげてください。

実は、入園前に親から愛情をたっぷり受けて育った子どもほど、家庭から外の社会への適応には時間がかかります。「いやだ!」と泣いているのは園が嫌なわけではなく、大好きな家族と離れるのが嫌なのです。それは、愛情を十分に受けて育ったことの証拠です。その意味では、園に行くのを嫌がったり、慣れるのに時間がかかったりすることは、決して悪いことではありません。そんなときは、「お母さんとお父さんはいつも僕を応援してくれている」という実感を子どもがしっかりと感じとれるように声をかけ、抱きしめてあげてください。

子どもの調子が悪いときは、思い切って園を休むこともひとつの方法です。

プリント「一度休むと休み癖がついてしまう」という考え方は、子どもを追い詰めてしまうことにもなりかねません。入園後の4月、5月は、子どもが幼稚園に適応しようと必死に心のエネルギーを使っている時期です。ときには気を抜く場面が必要になります。ですから、家ではワガママになったりします。

どうか「子どもは幼稚園に慣れようとしてがんばっているんだ」と考えてください。あまりに子どものことが心配なので、先生にいろいろなことを要求したり、園に意見を言ったりする保護者がいますが、先生たちを委縮させることにもなりますから、この時期にはどっしりと構えて見守ってあげることが大事です。

回答者 徳田克己先生

筑波大学医学医療系教授。教育博士、臨床心理士、専門は子ども支援。全国の幼稚園、保育所などを巡回して、保育者や保護者を対象とした気になる子どもの相談活動を行っている。「気になる子どもの保育ガイドブック」「育児の教科書クレヨンしんちゃん」(福村出版)、「親を惑わす専門家の言葉」(中央公論新社)など、著書多数。