発達障害の「あるある」

著者:筑波大学 准教授 水野智美先生 

寝ている女の子「子どもは、自分が寝る前に20体の人形をすべて寝かしつけてからでないと自分は寝ず、起きてからもその人形をすべて起こして、朝の支度をしてあげないと、自分の朝の支度にとりかからない。これは、子どもがなかなか寝なかったり、起きてからもグズグズと支度をしないために許してしまったことである。今でも、寝る前に1時間、起きてから1時間、人形のお世話をしないと自分の行動に移れない。」

 

「幼稚園バスから降りて、家まで歩いて帰る途中で子どもはいつも道に座り込んだり、寝そべったりしてしまって、連れて帰るのが大変だった。そこで、帰り道にあるコンビニに寄って、子どもの好きなジュースを買ったら子どもは嫌がらずに歩いてくれた。しかし、毎日コンビニでジュースを買わされるはめになってしまった。」

 

「家の庭でプランター栽培を始めた。子どもは、水をやるのが好きで、毎日水やりのお手伝いをしてくれる。しかし、雨が降っていても種をまいていないときでも、水をやると言って聞かずせっせと水やりをする。」

 

「朝のお手伝いとして、郵便受けから朝刊をとってくるようにさせた。しかし、休刊日に郵便受けに新聞がないと大泣きをするので、子どもが起きる前に前日の新聞を郵便受けに入れておかなくてはならない。」

 

気になる子どもの中には、一度覚えたルールを変えることが苦手な子どもがいます。

「この時にはこうする」というパターンを決めると律儀に守るので、その通りにスムーズに生活を送っていくことができる良い面もあります。

しかし、上の例のように寝る前に全部の人形の世話をしないと寝ない、幼稚園の帰りにジュースを買ってもらわないと家に帰らないなどの親にとっては好ましくないパターンを覚えてしまうと、なかなかその修正がききません。

親としては、その場を何とかしのぎたくてやってしまったことでしょう。

「ここで大泣きされると面倒だから」などの親の都合で子どもに対応してしまうと、その後の方が親にとって面倒なことになってしまいます。

また、プランター栽培や新聞のお手伝いについては、いつはお手伝いをするけれどいつはしない(たとえば、晴れの日は水やりをするけれど雨の日はしないなど)ことが目で見てわかるようにしておくと、子どもにとって混乱しなくてすみます。

すべてのケースに当てはまりますが、最初に適切なルールを決めて後から子どもに行動を修正させなくてもすむような対応をすると、子どもも親も楽に生活ができます!

 

著者紹介                                 ビシュケク1 (25)

水野 智美・・・筑波大学医学医療系 准教授 臨床心理士
専門は命の教育、乳幼児期の臨床保育学、障害理解
近年では幼児に対する命の教育や気になる子どもの対応に精力的に取り組んでいる。