感覚過敏・偏食の子もおいしく食べられる、夏のデザートの楽しみ方

偏食 夏休み 感覚過敏

アイスを食べようと差し出す子どもたち

来る年来る年、暑さが厳しくなっていく夏。外で汗をかいたあとは、冷たい飲み物やデザートが美味しい季節です。アイスの品ぞろえが豊富になり、コンビニに寄るとついつい手が伸びてしまいます。

冷たくて美味しいデザート。でも、中には楽しめない子も……

アイスクリームやかき氷、冷凍フルーツ、ゼリー、キンキンに冷やしたスイカ……。
ひんやり涼しくなれて、舌にも優しい冷たいデザートたち。
しかし、発達障害の子どもの中には、強い偏食があったり、感覚過敏だったりするために、冷たいデザートを楽しめない子どももいます。食べるのを嫌がったり、吐き出してしまったり……。

もちろん、おやつやデザートには冷たいもの以外にも選択肢がたくさんあります。そもそもデザートは一日三食の食事とは異なり、健康の維持に必須というわけではないので、無理に冷たいデザートを食べさせる必要はありません。
でも、その子が「食べられない理由」が分かれば、家族や友達といっしょに楽しく冷たいデザートを食べられるかもしれません!

どうして冷たいものが苦手なの? 冷たいものでも食べられるようになる対策と工夫

冷たいものを口に入れると痛い → 常温にもどしましょう

発達障害の子どもの中には、通常よりも感覚が鋭い感覚過敏の子どもがいます。口の中に氷を入れるとひんやりした感覚がしますが、感覚過敏の子どもの場合は、苦痛に感じるほどの刺激を感じることもあります。
例えば「うちの子はみかんが好きなはずなのに、冷凍みかんは口の中が痛いと言って食べない」といったように、常温なら食べられるものでも、冷やすと口の中に不快感があって食べられないことがあるのです。

こういった子どもには、常温にもどした状態のデザートを出してあげましょう。
冷凍みかんなどの冷凍フルーツは、しばらく室内において溶かします。ゼリーや冷やした果物なども、冷蔵庫から取り出し、室温にもどします。刺激を感じない程度の常温にもどすことで、口に入れた時の痛みや不快感が取り除かれ、安心して食べることができます。

棒状のアイスキャンディーがかじれない → シャーベット状にしましょう

アイスキャンディーをなめることができても、かじることができない子どもがいます。冷たいものが歯に強く当たると痛みを感じたり、氷を噛み砕く音を不快に感じたりするのです。

この場合は、アイスキャンディーを棒からはずして、細かく砕いてシャーベット状にしてみましょう。また、大きな粒の氷の感触を苦手そうにしているのであれば、アイスキャンディーではなく、口当たりがなめらかなアイスクリームやシャーベットを選んであげるのもよいでしょう。

溶けてかたちが変わってしまうのがイヤ → かたちの変化がわかりにくい容器に移しましょう

発達障害を抱えた子どもは、見通しがつきにくく、こだわりや思い込みが強い場合があります。そのために「この食べ物はこういうかたちをしているものだ」というその子独自のイメージから外れると、口にするのを嫌がったりすることも。
ソフトクリームやアイスクリームは食べているうちにかたちが溶けて崩れやすいため、食べ物へのイメージを強く持っている子の場合、時間を経るごとにイメージとかたちが離れていくことに不安になり、口にできなくなることがあります

こういった子どもにアイスクリームなどの溶けるデザートを出すときは、溶けてもかたちの変化がわかりにくいカップアイスを選んだり、溶けにくい容器に移したりする工夫をしてみましょう
また、事前にアイスクリームやソフトクリームが溶けていくイラストなどを見せて、見通しを作ってあげるのもよいでしょう。

大切なのは、誰かと一緒に「楽しく」食べた思い出を作ること

はじめに書いた通り、嫌がる子どもに冷たいものを無理やり口にさせる必要はありません。苦痛に感じることを強制されることによって、より偏食や苦手意識がかたくなになる可能性もあります。
大切なのは、今まで苦手だったものを克服できた経験や、誰かと一緒に楽しみながら食べた思い出を作ることです。こうした経験や記憶の積み重ねで、味覚だけでなく、「食べられない」という思い込みから抜け出す挑戦心も育ちます。

誰かと冷たいデザートを楽しむひとときが、楽しい夏の思い出になりますように。