子どもを叱る効果ってあるのでしょうか?また、子どもを叱る際のさじ加減に悩んでいます。

つい、感情にまかせて子どもを叱ってしまいます。感情的に子どもを叱るのはよくない、とは思いますが、全く叱らないのも甘やかしている感じがしてしまい、不安です。子どもを叱る効果ってあるのでしょうか?また、子どもを叱る際のさじ加減に悩んでいます。

子育てに関する相談の中で、最も多いのが叱り方に関する相談です。

怒るママ多くのお父さん、お母さんが、どうやって子どもを叱ればいいのかについて悩んでいます。

基本的に、子どもを叱ってはいけないということはありません。

子どもは大人から叱られたり、ほめられたりしながら、社会の中で「してはいけないこと」は何か、「した方が良いこと」は何かを実感していきます。

つまり、叱ることは社会の中で生きていくための土台を作るために必要なことです。

「叱らない子育て」が流行したことがありますが、叱ることがなければ、子どもは善悪の判断基準を自分の中に作ることができないのです。

ここでは、しかり方のポイントを解説していきます。

  1. 叱る基準を決めておく。完璧主義にならない。

子どもがおもちゃを片付けなくて叱られる場面をよく見ます。

お母さんはひとつ残らずおもちゃを箱の中に入れることが「片付けること」だと思っています。

しかし、子どもは「ブロックで作ったお城を箱に入れるとそれが壊れてしまう。

あとでこのお城で遊ぶから、これだけは外に出しておきたい」と思っているのです。

でもお母さんは「全部、片付けなさい」と叱り続けます。

あとで遊ばないものを片付けるとか、8割のおもちゃを片付けるとかといった基準を作って、それを守れないときに叱るということでいいじゃないですか。

完璧主義の子育ては子どもを追い詰めてしまいます。

それでチックや夜尿が起こることもありますよ。

  1. なぜ叱られているか、次にどうしたらいいかを子どもに考えさせる。

子どもを冷静に叱っているお母さんをあまり見たことがありません。

たいてい、鬼のような顔をして怒鳴っています。

育児書に「子どもを叱るときには理由を言って叱りましょう」と書いてありますが、そんなの無理です。

叱り口調で理由を言われても、それはただ叱られている時間が長くなっているだけです。

ではどうすればいいか? 「我が家の掟」を作るのです。

そしてそれを書いて貼っておき、1日おきに子どもに言い聞かせるのです。

子どもを叱るときには「あなたは何番目の掟を守れなかった? これから、どうしたらいいと思うの?」と冷静に尋ねれば、子どもは自分なりに考えて反省の言葉を言うでしょう。

怒鳴り声を浴びせかけられたら、子どもは何も考えられなくなります。

ただし、掟の数はせいぜい5つまでです。クリアできたら次の掟に変えていきます。

  1. 毎日、同じ基準で叱る。ただ、お父さんとお母さんの基準が多少異なっても良い。

子どもをその時の気分で叱っていると、やっていいこと、悪いことの基準を子どもは自分の中に作ることができず、常に親の顔色をうかがって、よいことと悪いことを判断するようになります。

つまり自分では何も決められない子どもになってしまうのです。

子どもの中に、しっかりとした物差しを作ってやるためには、親は気分で感情的に叱ってはいけないのです。

ただ、お父さんが大事にしている基準、お母さんが大事にしている基準は多少異なっても構いません。

子どもに性の役割の違いや両親の価値観の差異を伝えていくことにつながります。

これはとても大事なことです。

ひとは同じ価値観でないといけないということはないのですから。

  1. 子どもの成長とともに、叱る内容を変化させる。

高校生に「ご飯を食べる前には手を洗いなさい。どうしてあなたはママの言うことを聞けないの!」と叱っても、「うるさいな~、わかってるよ」という反応しか返ってきません。

つまり、その年齢でクリアできているであろうことは、こと細かく指示をしたり、叱ったりしないことです。

そんなことまで叱っていると、顔を合わせると常に小言を言っていなくてはいけないですよ。

回答者 徳田克己先生

筑波大学医学医療系教授。教育博士、臨床心理士、専門は子ども支援。全国の幼稚園、保育所などを巡回して、保育者や保護者を対象とした気になる子どもの相談活動を行っている。「気になる子どもの保育ガイドブック」「育児の教科書クレヨンしんちゃん」(福村出版)、「親を惑わす専門家の言葉」(中央公論新社)など、著書多数。