特別企画!徳田先生との子育て座談会が開催されました!


子育てに関するお悩み相談でおなじみ、徳田克己先生を囲んでの座談会が行われました!

小さなお子さんをお持ちの5人の親御さんのお悩みを、先生がするどく解決します!

お役立ちアドバイスがいっぱい!それでは、座談会のスタートです!

 

◇人見知りする子どもの育て方

DSC_0017Aさん:うちの子は5歳になる女の子です。人見知りが激しいんです。来年から小学校なので、周囲と打ちとけられるか、不安なんです。

徳田:例えば、近所のおばさんとすれちがったとしましょう。「あら、こんにちは」と挨拶されて、その子は挨拶できますか?

Aさん:できません。すぐに私の後ろに隠れてしまいます。「ご挨拶しなさい」とうながしても、小さい声で「こんにちは」というのがせいぜいです。「どうして挨拶できないの?」と聞くと、「挨拶したもん」と言います。

徳田:5歳ぐらいまでは、子どもはお母さんと一緒でないと不安なものです。それが次第にお母さんと離れても平気になり、ひとりで行動できるようになります。お母さんがしばらく買い物に行っても平気になりますよ。

Bさん:うちの子も5歳で、人見知りで困っているんです。子どもを信じて、しばらくは見守ったほうがいいのでしょうか。

徳田:子どもはいろいろな経験を積むことで、親離れできるようになっていきます。今はその練習期間なんです。もちろん、性格的に人見知りという子どももいますが、自然に挨拶ができるようになる子がほとんどですよ。そして挨拶できたときは、いっぱいほめてあげてください。「経験を積ませて、できたらほめる」、これを繰り返すことが大事です。

Aさん:確かに、先回りして「挨拶しなさい」と言いすぎていた部分もありました。私が子離れできていない部分も、あったのかもしれません。

徳田:一番いいのは、親が率先して周囲の方に「こんにちは!」と、挨拶しているのを見せることです。「どうして挨拶できないの」というのはNGです。「挨拶→親に叱られる」という経験がセットになると、挨拶を恐れてしまいます。子どもというのは、親が一歩下がって、子どもとの距離をあければあけるほど、自立していくものですよ。

◇「自己達成感」を与えることの大切さ

DSC_0109Bさん:そうですね…ちょっと私、子どもに言い過ぎているかなあって、反省しました。

徳田:言い過ぎていると思う部分があるんですか?

Bさん:はい、「挨拶できないんだったら、もうお外に連れていかないよ!」なんて言ってしまうときがあります。

徳田:それは一種の「おどし」なんですよ(笑)。でも小さい頃というのは、おどしがよく効くんです。

しかし、ある程度子どもが大きくなると効かなくなります。「連れていかないよ」と言っても「自分で行くからいい」と言われたら、終わりなんですね。またよくあるのが、お金やお菓子で釣るという方法です。

例えば勉強に関して、「この単語をぜんぶ覚えたら100円あげる」というと、子どもというのはよく覚えるんです。しかし、次からまた同じように100円と提示しても、同額ではモチベーションが上がらなくなっていきます。もっと多くを要求するようになるんです。おどしや、もので釣る方法は必ず破綻するんです。

出席者全員:それでは、どうしたらいいんでしょうか…?

徳田:「子どもに達成感をいかにして与えるか」が大事です。そのためには親と子が一緒になって、上手に目標を立てることです。

最初から大きな目標を立てるのではなく、少し頑張ればできるぐらいの 目標を立てます。そして子どもができたときに、「やったじゃない!」「すごいじゃないか」としっかりほめてあげてください。

そうすると、「僕はできたんだ」「あたしはやれたんだ」と、子どもは感じます。この気持ちを自己肯定感といいますが、これを感じさせてください。

Bさん:自己肯定感を体験すると、どうなるんですか?

徳田:子どもは「次も頑張ろう!」という気持ちになれるんです。ほめられると、誰でも嬉しいものですね。だから「次もほめられたい、がんばろう」という気持ちになっていきます。しかし、親というのは大体が叱るばかりなんです。「できたらほめる」を忘れないでくださいね。

◇子どもとのゲームは真剣に!

DSC_0013Cさん:うちの子は負けることがとにかく嫌いなんです。自分がいつでも一番じゃないと嫌です。たとえばジャンケンでも「負けるかもしれないから」といって、するのを嫌がります。家族でゲームをして、もし負けたりするとそばにある物を投げることもあります。どうしたらいいかと、悩んでいます。

徳田:お子さんは今、おいくつですか?

Cさん:今年5歳になる女の子です。

Bさん:うちの子も同じ傾向があります。テレビ番組のゲームでも、自分がハズれると、かんしゃくを起こしてしまったりします。

徳田:おふたりとも、一人っ子でしょうか?

Bさん、Cさん:はい。

徳田:きょうだいのいるお子さんだと、また違ってくるんです。きょうだいがいると、「泣いたりわめいたりしても、有利にならない」ことを理解するのが早いんです。

人間は誰しも「自分が一番になりたい」と思うものです。しかし「そうはいかない」と次第にわかってきます。一人っ子の子どもも、これから小学校に行くとわかってきます。今はその過程ですから、あまり心配しないでください。小学校1年生、遅くても2年生ぐらいまでにはわかってきます。

ゲームをやるときは、親は本気でやってください。子どもの機嫌を考えて、わざと負けるのはいけません。子どもが勝てるようにズルをすると、他の子どもとゲームしたときに、対応できない子どもになります。

親が勝ったときに、子どもがぐずったり、わめいたりしても、スルーしてください。そこでかまってもらえると思うと、いつまでもそういう甘えぐせが抜けません。思春期を過ぎて、大学生になってもそういう考え方のままになってしまいます。

◇お子さんを“尋問”していませんか?

DSC_0143Dさん:うちの子も5歳の女の子です。ひとり遊びが好きなのが、気になっています。お友達から「遊ぼう」と声を掛けられると一緒に遊ぶんですが、自分からは恥ずかしくて誘えないようです。

幼稚園で「今日は誰と何して遊んだの?」と聞いても、ひとりで本を読んだり、遊んだりしていることがほとんどのようです。「私はさみしくない」というんですが、やっぱり心配です。

徳田:ずっと他の子と交わらず、自分が好きな遊びだけをやっている子どもの一部には、発達達障害の傾向がある場合があります。しかし時々は他の子とも遊べて、時々はひとり遊びをするというのであれば、発達障害とは関係ないと思われます。遊ぼうと思えば他の子と上手に遊べるのであれば、心配はいりません。しかし、私はお母さんのほうが心配です。

Dさん:えっ、どういうことでしょうか?

徳田:毎日、お子さんを“尋問”してはいませんか。

「今日は何をしたの」「今日は誰と遊んだの」「先生は何て言ってたの」と、お母さんにしたら心配だから聞いていることが、子どもにしてみたら帰ったらお母さんにまたいろいろ聞かれるんだろうなあ…」と、気が重くなっているかもしれません。

Dさん:なるほど。そういう部分…あるかもしれません。

徳田:心配なのはわかりますが、子どもが自分から言いたくなったときに、聞いてあげるというスタンスが大切です。子どもが何か言ってきたとき、例えば「今日は何々して楽しかった」というようなことを言ったら、すごく喜んであげてください。そうすると、子どもは親に報告することが楽しくなってきます。

◇「テレビ」との上手なつきあい方

DSC_0065Eさん:うちは3歳の男の子で、幼稚園の年少です。テレビが大好きなんです。いろいろなことをテレビから覚える反面、見させすぎもどうなのか、と考えてしまいます。どうなのでしょうか?

徳田:テレビは、基本的に見させていいと考えています。テレビを見ない子どもというのは、社会性や言葉の発達が遅れます。

幼児の頃に一番必要なのは、語彙(言葉の種類)を増やすことです。語彙、つまり言葉は、真似で増えていきます。

一番いいのは直接体験です。例えば、お祭りにいってお神輿を見る、エジプトに行ってピラミッドを見る。このような体験から、子どもは「お神輿」や「ピラミッド」という言葉を実際に見て、覚えるわけです。

でも直接体験はなかなかできるものではありません。だから代わりにテレビを使うんです。図鑑などではこうはいきません。実際の大きさがわからず、いろいろな角度から見ることもできません。それが映像だと、大きさもわかりますし、全体像を見ることができます。

子どもにとって良いものかどうか、きちんと考えてつくられているテレビ 番組は見せていいと思いますよ。

Eさん:具体的に、見せる時間はどのくらいにしたらいいでしょうか。

徳田:これは家族会議をして、時間、そして見る番組を決めてください。私は4~5歳ぐらいの子どもなら、1日トータルで2時間ぐらいがいいと思います。例えば、朝30分、幼稚園や保育園から帰ってきて30分、夕飯の前後で30分ずつなどに分けるのもいいですね。このとき、親も一緒になってやってください。日曜日の夕方に、テレビの番組表を前にして家族会議を開いて「お父さんはこの番組とこの番組を見る。○○ちゃんは何を見る?」と子どもに声をかけて、子ども自身に決めさせてください。親がどうしても見たい番組は録画して、子どもが寝てから見るようにするなど、工夫をしてください。

Eさん:ただ、子どもが泣いて「これだけは見たい、お願い!」とせがむことが心配なんです。

Bさん:うちも時間を決めて見せているんですが、「今日だけ、お願い!」とあまりにうるさいので、つい許してしまうことがあります…。

徳田:それは、一番やってはいけないことです。「今日だけよ」といって見せてしまうと、「ぐずると見られるんだ」ということを学習してしまいます。

「うちの親はダメといったら絶対ダメ」と理解させることが、子育ての極意です。「いつもは優しいけれど、ダメといったらいくらぐずろうがダメ」とあきらめさせることが大切です。

Eさん:いくつぐらいから、テレビの時間や番組を決めればいいでしょうか。

徳田:まさにEさんのお子さんの3歳ぐらいで決めるのがいいでしょう。テレビの時間を守れたら、ほめてあげてください。「できたらほめる」です。

カレンダーに花マルをつけたり、シールを貼ったりして、「テレビのルールを守れた日」と、わかりやすく表示するのも効果的です。花マルが5つ続いたら、ケーキを1つあげる、などのごほうびがあると、子どもはもっと頑張ります。

Bさん:うちの子はもう5歳で、「今日だけよ」と何度もやってしまいました。どうしたら、修正できるでしょうか

徳田:今からでも遅くありません。お子さんは5歳だから、かなりの抵抗をするでしょうが、親は負けてはいけません。「ダメなものはダメ」を通してください。1~2週間は「家庭は戦争状態」でしょうが、それを過ぎれば、子どもは変わります。子どもを変えようと思ったら。まずは親が変わる必要があるんです。それを実感できたお母さん、お父さんは、その後の子育てがずいぶん楽になるでしょう。

 

徳田先生と親御さんの相談座談会、いかがでしたか?

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